取材日時/2020年6月12日
ナビゲーター/KANA & MOMOKO

店主 大富 藍子さん


彼女のハツラツとした笑顔と包み込むようなおおらかさに一瞬で魅了されました。大富牧場に嫁ぎ、現在2児の母。家事育児と両立しながら「FLYING COW」を経営していらっしゃいます。大富さんは、東京で10年ほど演劇役者として活躍されており、お母様の体調が悪化したことをきっかけに帰佐。鳥栖のアウトレットでアパレル店員として勤務していたそうです。「その頃旦那と出会って結婚したとけどさ、当時は今より30キロくらい痩せとったんよ!今ではこがん大きくなってしまって(笑)そりゃあもう旦那もびっくりしとるやろうね(笑)」と周囲の笑いを誘う軽やかなトークで場を和ませてくれました。今回は、そんな大富さんが作る美味しいスイーツを紹介していきます!


日に日に味が変わる!?
フライングカウの牧場プリン3



改良に改良を重ねて辿り着いた「美味しさの引き算による牧場らしさの追求」。佐賀県産の卵、搾乳から3時間以内の新鮮な生乳、生乳本来の味を際立たせるきび砂糖などを使い、無添加・無香料・無着色にこだわって〝人にやさしいスイーツづくり〟を心掛けていらっしゃいます。「フライングカウの牧場プリン3」は熟成する焼きプリン。

「牧場プリン3」4個入り1,400円/6個入り2,100円

きれのあるコクと甘みが、次第に濃厚でまろやかな味わいに変化していくそうです! そのまま食べてももちろん美味しいですが、パンに塗ってもGOOD。味はプレーンとほうじ茶の2種類で甘さは控えめ。口に入れると溶けていくようななめらかさと優しい味わいに思わず虜になります。お客様からも好評で、大手コンビニエンスストアでも取り扱いされているんですよ!

「牧場プリン3」誕生までの裏話~オープン直前に立ちはだかった壁

嫁ぎ先である大富牧場のミルクを使った加工商品を作りたかったという大富さん。子どものおやつとして作った「プリン」に飛び跳ねるように喜ぶ子どもたちの姿を見て商品化を決意。それから試行錯誤の毎日がスタートした。
しかし、2年が経った頃、突然プリンが作れなくなったという大富さん。巣(プリンにできる空気の穴)がたくさん出来てしまったり、カラメルがカチカチに固まってしまったり…。オーブンを変えたことが理由なのか、自分の慣れが原因なのか。冷蔵庫にはたくさんの失敗プリン…。商品化目前の出来事に気持ちも沈んで、ストレスで円形脱毛症にまでなったそうだ。「もうね、毎日毎日プリンの夢見るようになってさー(笑)『あなた、プリンが焼けてないわよ~』と知らないおばさんから言われる夢とか。もう怖くて怖くて(笑)」と当時を懐かしみながら話してくれた。
そんな最中、子どもの友達が失敗プリンを「美味しい美味しい」と喜んで食べてくれたのだという。失敗したドロドロのプリンでもこんなに喜んで食べてくれるならもう一回頑張ってみようと再び奮起した大富さんは、製造工程を1から見直し、構想から約3年が経った2020年1月、念願のオープン日を迎えることができた。たくさんの失敗、挫折を乗り越えて完成したプリンへの愛情はひとしお。夢は「佐賀をプリン県にすること」だそうだ。


大富牧場 FLYING COW



「大富牧場 FLYING COW(フライングカウ)」は、大富牧場(みやき町簑原)の搾りたてミルクを使用したスイーツ販売をはじめ、三神地区(みやき・神埼・鳥栖)の農産物直売所も兼ねているお店です。子どもたちが美味しいものを食べた時に飛んで喜ぶ様子を「Flying」と例え、色々な場所に飛んで牧場の商品が届きますようにと願いを込めて「FLYING COW」と名付けられました。

同店のロゴマークはバルーンがモチーフになっており、プリンの容器もひっくり返すとバルーンの形になっているんですよ♪ 営業日は週に1度、毎週金曜日(11時~16時)と第3土曜日(9時~12時)。毎月第1金曜日には色んな人・店とのコラボ企画を開催しており、6月第1金曜日は雑貨屋さんが店前の駐車場で販売会をされたそうです。(※イベント・営業日等の情報は随時Facebook・Instagramで発信されています)


プリン以外にも美味しいスイーツが!


「あれ?私いま食べたっけ?」罪悪感ゼロの驚きシフォンケーキ!


ふわふわを通り越した〝溶ける〟シフォンケーキも大人気なんです! 

バナナシフォンサンド/キウイシフォンサンド

シフォンケーキは空気をたっぷり含んでいるから口当たりも軽くて、2つくらいペロリと食べちゃいそうです。そんなシフォンケーキに合わせるのは甘めの生クリームと季節のフルーツ! 冬~春にかけて販売されたイチゴシフォンケーキサンドに関しては、なんと道路まで行列ができるほどの大盛況だったとか! この何とも言えない不思議な感覚をアナタにも味わってほしい! ぜひ一度食べてみて❤

サッパリ&しっとりの新感覚マフィン


バナナチョコチップマフィン/ベリーベリーマフィン 各300円

ベリーベリーマフィンには、国産カシスとみやき産ブルーベリーが入っています!

外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした生地。ベリーの酸味がさらに美味しさを引き立て、後味にほんのりシナモンの香りが感じられました。しっかり食べ応えもあります。あまりの美味しさにMOMOKOも思わずこの表情❤ 一度食べたらやみつきになること間違いなしです!

農業女子のお野菜を紹介


毎週金曜の朝、農業女子たちが自分の畑で採れた農産物を納品しにやってきます! きっと価格の安さと新鮮さに度肝を抜かれますよ! 大富さんが、「モットーは〝無理せず、ゆるく、細く、長く〟。納品はちょっとずつ、ある時に持ってくるくらいの感覚でお願いしています。でも農業女子のプライドっていうのもあって、『今日は生育が良くなくて、いつもよりサイズが小さいから今週の納品はお休みさせて~』なんてことも。みんなプライド持って頑張ってるんだなって毎回思うし、それだけ気持ち・愛情を注いで育てているんだなって感じます。」と話してくれました! 今回は、取材時に販売されていたお野菜を紹介しますね♪


かぼちゃ 1個500円

アスパラガス1袋 太200円/細150円

トマト 1箱1,000円/コリンキー 1個100円
 

大富さん自身が〝生産者と消費者が直接繋がれる場所〟を求めていたこともあり、ここがそんな場所になればという願いを込めて農産物の直売が行われています。「先週買ったあの野菜が美味しかったから今日も買いに来たよ!とか、こういうのが食べたい!とか、お客さんからの反応をダイレクトで聞けた時やリピートでまた来てくれた時にやっててよかったと感じます。」と、お客さんと直接交流できることに喜びを感じていらっしゃるようです。

「私はこの日、SAKURAI FARMさんのアスパラ(太)を購入して帰って、夕食で天ぷらにして食べました! こんなに瑞々しくて柔らかくてジューシーなアスパラは初めてでした❤」とMOMOKO。日によって商品のラインナップや大きさ・量も変わりますのでご注意ください(^^)

FLING COW・大富さんが目指す未来のカタチ


今後はプリンを軸に、アイスやヨーグルトなど新商品の開発や、牧場で飼育している牛たちの肉の販売も行っていきたいそうです。また、次の世代に繋げるために魅力的な牧場を作りたいという想いから、2年ほど前に「ファシリテーター(牧場について子どもたちに教えることが出来る資格)」の資格を取った大富さん。牧場の教育ファームとして福島県の被災地や北海道などに赴き、子どもたちに「命の循環について」や「牧場のこと」などを教える活動をしていらっしゃいます。この活動もこれまで同様に続けていきたいそうです。

さらに、佐賀県が主催する「SAGA LOCALIST ACADEMY(サガローカリストアカデミー)」という活動があり、地域のため、家族のため、自分のために夢を描き、その夢に挑む「ローカリスト」が毎年10人ほど選出されているのですが、なんと今年、大富さんがローカリストに選出されたそうです。これをきっかけに色んな人と繋がり、佐賀をもっと盛り上げていきたいと語ってくれました。

店名

大富牧場 FLYING COW(フライングカウ)

住所

三養基郡みやき町簑原43-3

TEL

090-4812-1215

営業時間 

毎週金曜10:00~16:00

第3土曜10:00~12:00

駐車場

5台

リンク

大富牧場 Facebookページ

FLYING COW Instagramページ

アクセス

JR中原駅より徒歩約20分

東脊振ICより車で約12分