一人でも行きたくなる和食店
旬の野菜と限定酒を楽しむ自分時間
ユネスコ無形文化遺産として登録されている〝和食〟。それは、自然の美しさや季節の移ろい、素材そのものの持ち味を活かしたお料理を指し、自然を尊ぶという日本人の気質が根付くものである。料理人になることを夢見て、和食道を突き進んできたオーナーシェフが織りなす和料理を味わえる場所、それが「和料理 みね家」だ。
同店は佐賀駅北口から徒歩2分のところにあり、木材を使用したスタイリッシュな外観が特徴的。店内に入ると一枚板のオープンカウンターと石造りの壁が目に飛び込んでくる。提供するメニューは、ランチの和定食や伊万里牛カレー、ディナーの鮮魚、地元野菜の天ぷらやグリルなどの一品料理と非常に幅広い。本日はその中からおすすめの料理を一部紹介する。
お料理を一部ご紹介
自家製からすみ炙り 1,000円
オープン当初から毎年11月に仕込む「からすみ」。こんなに美味しいからすみに出会ったのは初めてかもしれない…。
からすみは、作るのに非常に手間暇のかかる高級珍味。同店のからすみは、独特のねっとりとした食感はあまりなく、塩辛さの中に感じるコク、まろやかな甘みと旨み。軽く炙ってあることで香ばしさも加わった味わい深い逸品だ。
旬の野菜400円~
写真は、佐賀穂付ヤングコーン(2本600円)と白石産グリーンアスパラの天ぷら。天ぷら、グリル、バター焼きなど、旬のお野菜の味を最大限に引き出す方法でシンプルに調理するのが〝みね家流〟。
〝サクサクッ〟という音が店内に響き渡ったのは「ヤングコーンのひげ」を食べた時だった。噛めば噛むほどに甘みが口いっぱいに広がるヤングコーンの美味しさもさることながら、ひげの美味しさには驚いた。ほんのりコーンの甘さを感じられ、ビールやお酒のあてにピッタリの一品。
こちらはアスパラガスの天ぷら(2本700円※写真は1本分)。ジュワっと旨みが湧き出るようなジューシーさがたまらない。
ごぼうの唐揚げ1本170円
常連さんは、来店すると同時にビールとごぼうの唐揚げを注文するほどの名物料理! ごぼうと聞くと硬い食感をイメージしていたが、これは一味違う! 箸で切れるほど柔らかくてほんのり煮つけのような味がするのだ。聞くと、一度茹で、酒や砂糖などの調味料と一緒に炊き上げてから揚げるのだそう。すでに火が入っているごぼうを注文を受けてから揚げるため、提供スピードが速いのも嬉しい。
「登場した時、この大きさにビックリしましたが、食べると美味しすぎてもっとビックリしました! お仕事終わりのビールに合わせるならコレです。毎日通いたいくらいの美味しさです!」とMAKI。
だし巻き玉子 770円
プレーン・明太子・のり・ねぎの4種類。値段は全て同じだ。今回はプレーンをいただいたが、フワっフワの食感と一番だしの優しい味わいが、疲れた心と体に染み渡った。このだし巻き玉子をメインディッシュにしたランチ「和食屋のだし巻き定食(だし巻き玉子、ご飯、お味噌汁、小鉢、食後の珈琲)1,100円」が大人気!
こちらは取材当日、ランチで提供された日替わり定食の生姜焼き。分厚くて食べ応えがあるのに柔らかくてジューシーだった。ランチタイムもお席の予約が出来るので、ぜひ一度食べてみてほしい。
※写真は少し分けていただいたもので、ランチで提供されるものとは量が異なりますのでご注意ください。
旬の料理と合わせる季節限定酒
同店は、お料理だけではなく日本酒も季節限定酒しか取り扱っていないのも日本酒好きが集まる所以だろう。
佐賀県内には世界に誇る酒蔵がたくさんある。蔵開きで酒蔵に足を運んだ時に季節酒、限定酒と出会い、以降常時8~10種類を提供するようになったという。
どんなお酒があるのか一目で分かるように、カウンター横にガラスのショーケースを設置している。
その季節にしか味わえない旬の食材を使った〝料理と日本酒〟でもてなす、素敵な和食屋さんに出逢えて嬉しく思う。
お客様への「感謝」の気持ち
オーナーシェフ 峯 竜太 さん
幼いころから夢見た〝料理人〟。目の前に立ちはだかるいくつもの試練も〝夢のために〟という想いただ一つで乗り越えられたと語るのはオーナーシェフの峯さんだ。出身は吉野ヶ里町東脊振村。牛津高校の調理科を卒業後、料理を学ぶなら現地でという精神から、日本の伝統食文化「和食」の道に進み、大阪・福岡で修業を積んだ。以前この場所にあった定食屋さんが店じまいすると聞き、交渉を重ね、2018年「和料理みね家」の開店を迎えた。
オープンから約3年半、旬の食材を使い、素材の持ち味を最大限引き出す料理を作り続けてきた。調理において(素材の味を損ねるような)余計なことはしないという峯さん。今後もその思いはブレることはない。そして、来てくださったお客様への〝感謝〟の気持ちは、忙しかろうと暇だろうと、絶対に忘れないことを心に決めている。コロナ禍にあってなおさらそれを強く感じているという。
オープン当初は大きな不安を抱えつつも〝何とかなるだろう〟と営業を続けていたそうだが、思ったようにうまくいかない日々が1年程続いたそうだ。そんな「みね家」が2年目を迎えた頃、佐賀駅北口で開催された日本酒飲み歩きイベントで転機が訪れる。
同店は外から店内が見えず、どんな店なのか、どんな料理を出すのかが伝わらないという難点があった。しかし、気になってはいたけど足を踏み入れることを躊躇していた人たちが、このイベントをきっかけに足を運んでくれてくれるようになり、それから口コミで来店者数が増えていったのだ。また、同時期にサガテレビで〝和食屋が作るだし巻き定食〟の特集が組まれると、それを見たお客様たちが我先にとランチタイムに押し寄せた。忙しさでてんてこまいする日々は、きつさよりも嬉しさの方が勝る時間だったことだろう。
インタビューを受ける峯さんの優しい目の奥に、料理への自信とお客様に対する感謝の想いがヒシヒシと感じられた。「これまで2~3人でのご来店がほとんどでしたが、コロナ禍になってからはおひとり様でのご来店もが増えたように感じています。当店の料理は2人で食べるのに最適な量で提供していますが、お1人で来られたお客様には臨機応変に対応させていただいています。召し上がっているお酒に合うようなちょっとしたおつまみなど、お1人様だからこそできるサービスも提供していきたいと思うので、男性でも女性でも、おひとり様でも気軽に安心して来ていただければと思います。」とメッセージをくれた。
お店の様子
ぬくもりを感じる店内。カウンター席とテーブル席を完備。
オープンカウンターに並ぶのは旬のお野菜。佐賀県産の食材を中心に揃えながらも、福岡の青果市場から珍しい食材を仕入れることもあるそうだ。
カウンター内の壁面が石造りなのもスタイリッシュでクール。 1人でも行きたくなる素敵な和食屋さん、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
名称 | 和料理 みね家 |
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住所 | 佐賀市駅前中央1丁目14-29 |
TEL | |
営業時間 | ランチ 11:30~14:00(L.O) ディナー 18:00~22:30(フードL.O 21:30/ドリンクL.O 22:00) |
席数 | 17席 |
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定休日 | 日曜、祝日 |
駐車場 | 5台 |
アクセス | JR佐賀駅より徒歩約2分(北口) |