取材日時/2020年7月15日
ナビゲーター/HITOMI & MOMOKO

住民に愛される〝まちづくり〟
唐津の商店街に賑わいを



「KARAE/唐重(カラエ)」は、カフェレストラン、アンテナショップ、シェアオフィス、総合案内所、そしてホテルが入った複合商業施設。存在感やインパクトの大きさは感じるものの、位置する京町商店街と呉服町商店街の町並みと馴染んで〝一体化〟しているのが驚きだ。

☝フロアガイドはこちら。今回は「HOTEL KARAE」にスポットを当てて詳しく紹介する。

「KARAE」という名前は、唐津の〝唐〟と、重なるという字で「唐重」。ここには、唐津の歴史、文化や町並み、そして魅力を、これから過ごしていく時間とともに織り重ねていきたいという想いが込められているのだ。デザインのコンセプトは、虹ノ松原を彷彿とさせる〝白砂青松(はくさせいしょう)〟。魅力溢れる風光明媚な唐津の景色をイメージした外観・内観に、地元住民の方も親しみを感じているそうだ。


この場所ならではの
文化が薫るフロント&ロビー



KARAEに到着したMOMOKOとHITOMI。エレベーターで3階へ、HOTEL KARAE(ホテルカラエ)に到着だ。エレベーターの扉が開くと、可愛くペイントされた3体の鬼瓦がお出迎えしてくれた。実はこの場所は、大きな造り酒屋の跡地。この鬼瓦は、100年以上歴史を紡いできた造り酒屋の屋根に施されていたものだ。大切な歴史や文化をなくしてはいけないと、古い資材がアートとしてカタチを変え、HOTELの装飾として利用されている。
パステルカラーのペイントと丸いお目めが愛くるしい。

ラウンジには大きなソファーがあり、壁面にはかつての窓枠にペイントを施したアートや唐津焼の器など飾ってある。

ラウンジのビッグテーブルは、造り酒屋の「梁(はり)」をつなぎ合わせて作られたもの。このテーブルに座って、100年前に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。

廃棄されずに残っていたお酒の看板は、色鮮やかな染布を使用し唐津の海や風を表現したアート作品へ。古いものに現代を生きるアーティストが手を加えることで、過去と現在が共存しているような不思議な感覚になる。これらの作品は宿泊者しか見ることのできないので特別感を味わうことができるのも嬉しい。

宿泊者はこちらのフロントでチェックインをお願いします。

部屋はエグゼクティブルーム、デラックスルーム、スーペリアルーム、スタンダードルーム、ドミトリー(女性専用あり)と多種完備。

こちらは七福神の欄間(らんま)を利用したアート。

部屋へ向かう廊下はまるでギャラリー。様々な作品たちがお出迎えしてくれる。

こちらの作品、よく見ると唐津の14の町が唐津くんちで使用する法被の紋章が隠れている。唐津っ子はぜひ探してみてほしい。

お部屋の紹介
デラックスルーム


利用人数:3名~6名
最低価格:16,500円~※時期によって変動しますので詳しくは公式ホームページをご覧ください。


お部屋も外観と同様に〝白砂青松〟をイメージしたモダンなカラーを採用。シンプルでお洒落ながら、ゆったりとリラックスできる空間になっている。さらに、天井が高く、窓も大きいため開放感が味わえ、カーテンを開けると唐津の町並みが眼下に広がっているのも面白い。

部屋にはシモンズ製のダブルベッドが2つ完備されてる。また、ヘブンリーベッドと呼ばれる厚さ3cmのフェザートッパーも使用されているので、極上の眠りが体感できる。
こちらは、唐津市七山を活動拠点とする「紙漉思考室」で漉かれた和紙アート作品「キリトリ」。各部屋のインテリアとして飾られており、朝陽に照らされる美しい和紙は、宿泊時にぜひ楽しんでほしいポイントだ。

 

カフェでいただく美味しいご朝食



HOTELの朝食は1階の「KARAE TABLE(カラエテーブル)」で提供される。モーニングセット、フレンチトーストセット、シンプルトーストセットの3種類から選ぶことができる。本日はその中から2種類を紹介する。

モーニングセット(カフェ利用の場合は650円+tax)


セット内容はトースト、自家製バターホイップ、九州産の野菜を使用したミニサラダ、みのり農場(唐津市)の卵を使用したゆで卵、ベーコン。「トーストに付ける自家製バターホイップの味に感動! サワークリームみたいな酸味があるからとっても口当たりが軽くて、甘じょっぱい感じ。病みつきになっちゃう~♡」とHITOMI。

こちらのミネストローネは追加オプション(+200円)。唐津の野菜をたっぷり使用している。

フレンチトーストセット(カフェ利用の場合は750円+tax)


セット内容はフレンチトースト、ヨーグルト、スープ。バナナは追加オプション(+100円)。「朝から健康的でとっても美味しい食事が、こんなにお洒落なカフェでできるって嬉しいですよね! ヨーグルトは甘すぎず、いちごのジャムがとっても美味しいです♡」とMOMOKO。

いきいき唐津 株式会社
取締役 坂本 武政さん


「KARAE」が建設された区画は、大きな造り酒屋の跡地で小割りにした11店舗の商店があったが、老朽化に伴い空き店舗群となっていた場所だ。これまでにも商工会議所や地元関係者が何度もアイデアを出し合い、再開発を試みたそうだが順調に進まず、まちづくり会社である「いきいき唐津株式会社」に打診があったのだった。会社の業務として行う通行量調査の中で、唐津に住む人たちに〝唐津に求める施設は何か〟という調査を実施した結果、カフェ、映画館、本屋という3項目のニーズが高かった。それらを実現するために試行錯誤、紆余曲折を繰り返し、本が読めるカフェレストラン、唐津のまちに22年間なかったシアター、バックパッカーが宿泊できるドミトリーも完備したホテル、さらにはシェアオフィスや案内所も追加した複合商業施設「KARAE」が、8年という長い歳月をかけ、2019年10月に完成したのだ。

大切にしたのは温度感。住民はここに東京などと同じような施設を求めているわけではなく、新しさを感じつつも、唐津ならではの文化が薫る場所を求めている。自分たちが創りたいものと求められているものがかけ離れてしまわないように、住民たちと同じ温度感でのデザインを心掛けたそうだ。


KARAEのロゴの7つの線は、唐津の7つの島と波のきらめき、〝唐津らしさを重ねる〟というコンセプトの「重なり」を表現し、Aの部分は山や島、松などの自然を連想させるデザインになっている。
「昔ながらの伝統や歴史、文化の宝庫である唐津だからこそ、まち全体を再興していきたいと思っています。しかし、住民のニーズに応えながらも商業として成り立たなければならないので、その2要素のバランスや着地点を模索し続けましたね。

この8年間、スタッフ一丸となって本当に一生懸命やってきました。だからこそ、昨年10月にオープンした時の達成感は相当なものでした。そして今度は事業の運営、ここからがスタートなんですよね。
ただ、船を漕ぎだして半年も経たないうちに訪れた未曽有の事態です。飲食、映画館、ホテルは全て稼働できなくなりましたし、大きな影響を受けました。現在は少しずつ客足が戻りつつありますし、唐津での認知も高まってきていると感じています。しっかりと安心安全な対策を取りながら、今後も多くの方に知っていただき利用していただけるように、スタッフみんなでアイデアを出し合って頑張っていきたいと思います。そして私たちの施設だけではなく、商店街など周辺の店舗様にもいい影響を与えていって、ゆくゆくは唐津のハブとなる施設になることを目指しています。」 と話してくれた。KARAEが唐津の歴史や文化、魅力を伝えながらも新しい風を吹かせる原動力となって、地域の方々に愛される場所になってほしいと心から願っている。

名称

HOTEL KARAE(ホテル カラエ)

住所

唐津市京町1783

TEL

0955-53-8068

IN/OUT 

チェックイン15:00~23:00/チェックアウト~10:00

※ご希望のお客様は1時間につき1,000円+taxで最大13時までチェックアウトを延長できます。

駐車場

なし

近隣のコインパーキングをご利用ください。

リンク

☞ HOTEL KARAE 公式ホームページ

☞ HOTEL KARAE Instagramページ

アクセス

JR唐津駅より徒歩約2分

唐津ICより車で約12分