コーヒー店をオープンさせるにあたり、老若男女幅広い年代の方に親しんでいただけるような豆を探した。そして出会ったのがニュージーランド発祥の東京・渋谷「コーヒースプリーム」。福岡の友人が店長を務めるゲストハウスで提供してもらったコーヒースプリームのブラックコーヒーの美味しさに〝これだ〟と感じた武藤さんは渋谷まで足を運び、オーナーさんと直接やりとりをし、豆を卸してもらう手筈を組んだ。佐賀で取引をする初の店舗となったのだった。
しかし、同店の魅力はコーヒーだけにとどまらない。コーヒー以外のラテやフラッペ、アルコールなどのメニューが非常に豊富なのである。特に、海外ドラマの影響で考案したというフラッペは、インスタ映え間違いなしのフォルムでとっても美味しい。これほどにフラッペが充実しているカフェはなかなかないし、女子高生や若者に人気になる匂いしかしないと感じるのは私だけではないだろう。

現在27歳の武藤さん。今後やりたいことはと問うと「たくさんあります。どういう形態になるかは分かりませんが事業自体を大きくしていくこと、もともと絵を描くアーティストなので時間に余裕が出来たら制作活動も再開したいです。アート作品が店内に並ぶようなギャラリーカフェにしたいとも思っています。」と武藤さん。平日は一人で切り盛りされているが、週末にはアルバイトスタッフが入る。共に働くスタッフたちは武藤さんと同じように〝いつかは自分で店を出したい〟という夢を持つ子だけを集めたそうだ。コーヒーの知識だけではなく、お店を出す為に必要な損益の出し方、資金の調達方法など、そういう部分も含めて教えてあげたいと武藤さんは語る。武藤さんの下で育った経営者の卵たちが、佐賀で自分の店を持ち、さらに佐賀にコーヒー文化を根付かせてほしい。そして、佐賀の人たちに、自分が好きなものを自分が心地良いと思える場所で楽しめる、そんな自分好みの一店を見つけてほしいと心から願っている。