ナビゲーターMOMOKO
取材日/2020年2月17日

午後休をいただいたそんな日は・・・
美味しいcoffeeを飲みたい私



午前中に内勤業務を終えて午後休をいただいたこの日。気になっていたカフェに行ってみた。令和元年12月、人通りもまばらな吉野ヶ里公園駅前にお洒落で温かみを感じるカフェが出来たことをInstagramで知っていた。

扉をあけると同時に、焙煎された珈琲豆のいい香りに体が包み込まれていく。カウンターに立つ彼に「苦みの少ないホットコーヒーが飲みたいです」と注文すると、「かしこまりました」と丁寧に丁寧にドリップしてくれた。

お湯を注ぐと豆がゆっくりと膨らむ。焙煎の香りとはまた違う、華やかで幸せな香りが鼻に触れた。ああ、なんて幸せな時間なのだろう。忙しい日々を忘れさせてくれる至福のひとときのスタートだ。いやしかし、持ち帰ってきてしまった仕事を片付けなければ。「すみません、ここでパソコン作業してもいいですか?」と尋ねるとカウンターの彼は快くOKしてくれた。図々しく同僚を呼んでミーティングまで。なんて素敵な場所なんだ。

吉野ヶ里町はポテンシャルの宝庫!?
コミュニティスペース&カフェ



美味しいコーヒーを飲みながらその場に居合わせた人と会話が弾み、コミュニケーションの輪が広がるのがここ、「OK COFFEE SAGA ROASTERY」。カフェというよりはコミュニティスペースといったところだ。人と人の縁が繋がる場所だからなのか、気の流れがとても良い。心地良い場所だ。

インテリアもお洒落。

OKを象ったチェアも可愛らしい。

おすすめメニューの紹介



カフェオレの作り方も独特! ミルクの白とコーヒーの茶色が二層に分かれてるところなんてインスタ映えでしょ♡ 写真や動画の撮影OKだからぜひあなたのカメラにも収めてほしいな♪

カフェオレ(ホット/アイス)400円

焼きたてドリップコーヒー(ホット/アイス) 390円

ブラックコーヒーって実は今まであんまり得意じゃなかった私。でもとっても美味しくて何度もお代りしちゃった(笑)

タピオカドリンク(カフェオレ/ミルクティー)400円
  • みんなが大好きなタピオカもあるよ♡

ネスレ キットカット for CAFE 1個70円
  • コーヒーと合わせて注文したのがコレ! パソコン仕事に疲れたときってやっぱり甘いもの食べたくなるっちゃんね♡

焙煎したての新鮮な豆は100g単位で販売もされているので自宅でも楽しむことが出来る。オリジナルブレンドが4種類、シングルオリジン(単一品種のコーヒー)が8種類あり、メニュー表には酸味や苦味、フルーティー度や甘みなど細かく表記してあるので選びやすい。鮮度を考えると2週間を目処に飲み切って欲しいとのこと。マグカップは店舗のマークが入ったオリジナルで可愛いし持ちやすい。

福山徹さん
株式会社アイテク代表取締役/OK COFFEE SAGA ROASTETYオーナー


「地元の町おこしがしたい」という一人の熱男が吉野ヶ里町にいる。令和元年12月15日に吉野ヶ里公園駅前にオープンした「OK COFFEE SAGA ROASTERY」のオーナー、福山徹さんだ。
福山さんは吉野ヶ里町で83年続く印鑑屋・株式会社アイテクの3代目社長。印鑑業の衰退を視野に、新しい事業を立ち上げたのだった。それは町のコミュニティースペースを提供する珈琲豆焙煎所。吉野ケ里公園駅から徒歩3分の場所に店を構え、カフェとして焙煎したての新鮮な豆を使った美味しいコーヒーの提供や、焙煎豆の卸売を生業にしている。なぜ印鑑屋の社長がコーヒー業を始めたのか。その想いに迫る。

福山さんのこれまで

吉野ヶ里出身の32歳。福岡大学を卒業後、佐賀ダイハツ販売に就職し営業マンとして勤務した。退職後、2012年1月1日から1年間、旅人として全国各地、世界各国を飛び回った。北海道ニセコ町のシェアハウスで約20人の外国人と共同生活を終えるとヒッチハイクで吉野ヶ里町まで戻り、同年6月にはカナダに飛び2ヶ月間のホームステイ。現地の友達の家を経由してアメリカへ向かい、ロサンゼルスからニューヨークまでレンタカーで横断した。
1年間の旅人生活で何を感じ何を学んだのか、非常に興味が湧いた私は率直にその想いをぶつけた。すると、現地の人々と触れ合ったことで、人や文化、考え方に対して自分自身がオープンになったと福山さん。〝アメリカ人はこうだ、とか、海外の人は陽気だ〟などの固定概念を持つ人は少なくないだろう。しかし、実際に現地に行き、育った環境や文化が違えば肌の色も髪の色も違う人と触れ合ったことで、陽気な人もいればそうでない人もいるし、愉快な性格の中に愛国心や自分たちの文化への誇りをちゃんと持っていることも感じたという。同時に、日本人の保守的な性格じゃダメな部分も顕著になったそうだ。そうやって身を持って感じた経験は福山さんの生き方をも変えてしまう大きなものだった。帰国後、色んな会合や講演会など積極的に参加し、色んな人と関わるようになったのだという。


その後、家業に従事し2018年にお父様である2代目から社長を交代。しかし、デジタル化が進むこの時代。いつ印鑑という制度が終わらるか分からないという現実が福山さんに突き付けられた。子供の数が急激に増加したり、日本経済が爆発的に成長しない限り、印鑑業は衰退の一途をたどる。そんな中で何か自分にできることはないかと、辿り着いたのは「お世話になったこの吉野ヶ里町への恩返しへの道」だった。

ある男との出会い

2012年、旅から帰ってきてすぐ、偶然知り合った一人の男、その名は「オカダケイシ」。それは運命という他ない出会いだった。今ではお互いに〝こいつとは一生の付き合いになるな〟と感じるほどの関係を築いている二人。興味がある方は直接福山さんに聞いてみてはいかがだろうか。そのオカダケイシ氏が経営しているのが「OK COFFEE」。大阪に2店舗あるカフェで、同店はフランチャイズとして屋号をもらっており、全3店舗で提供する珈琲豆の焙煎事業をここが担っている。


新事業立ち上げを思案中、オカダケイシ氏へ相談をした福山さん。その事業というのが〝吉野ケ里公園駅前にカフェを作ること〟だった。まず、なぜカフェだったのか? それは自分たちが運営するカフェがこの町の魅力度を上げる店になれば町に人を呼ぶことが出来るし、町の紹介所、案内所として吉野ヶ里町のハブになれれば、来てくれた人たちを他の飲食店やスポットへ誘導でき、吉野ヶ里町の経済も潤う。

この町への恩返しに繋がると考えたからだった。オカダケイシ氏は「人通りの少ない場所で待つ商売のカフェをやるなんて無茶。でも豆の焙煎事業としてだったらイケるかもしれない。」と。そこから着手し昨年12月にオープンした同店は、豆の焙煎事業と並行して、自家焙煎の新鮮な豆を使った付加価値の高いコーヒーを提供している。抽出方法はオールハンドドリップ。一杯一杯丁寧に淹れられるコーヒーの美味しさにリピーターが続出している。
知っている方もいらっしゃるかと思うが、実は吉野ヶ里公園駅前のこの通りは元々商店街だった。今ではシャッターが下りているところが多く、同店があるこの場所も空き家の1つだった。「このシャッター街のシャッターを自分の力で一個でも開けてやろうと思ったこともありこの場所を選びました。」と福山さん。オープンからまだ4ヶ月弱だが、同店の認知度は右肩上がり。吉野ヶ里町を訪れている人は確実に増えている。

福山さんのこれから

事業の発展・町おこし・人と人の縁を繋ぐこと。これこそが福山さんがやりたいこと。そもそも「町おこし」とは、単発的なイベントをやって人を集めることではなくて、町が賑わっている様子を実際に見せて〝吉野ヶ里町って魅力があって面白い〟と誇りを持ってもらうことや、結果的に継続して町が潤うことだと福山さん。そこにマッチするのが「コーヒー」なのだという。コーヒーは飲み始めると習慣化するもので、豆の鮮度が保たれるのは約2週間。同店のコーヒーが飲みたい人は、豆を買いに月に2度ほど吉野ヶ里町を訪れ、食事は町内の飲食店を利用してくれることが見込める(同店がドリンクのみを提供しているため)。また、不定期で「Free Coffee Day」という無料でコーヒーを配布するイベントを開催し、コーヒーの美味しさや賑わいを実際に体感してもらうきっかけづくりを行っている。
「コーヒーを飲んでいる時ってHappy度が上がるものだと思っています。人を瞬間的に幸せにしてくれるものです。健康作用もありますし、ぜひうちの美味しいコーヒーを飲んでほしいと思います。」とメッセージをくれた。


梶史明さん
珈琲事業総責任者(焙煎士、OK COFFEE Saga Roastery店長)



珈琲の焙煎とカフェが両方できる場所を探してこの場所にたどり着いた富山県出身、22歳の青年。カウンターに立つのが彼だ。スタッフ募集を見て問い合わせの電話を入れた3日後には佐賀に飛んできていた。なんという行動力。彼の行動力と誠実さにすぐに採用を決めたと福山さん。焙煎度合いや火の入れ方は分析しながら味を見る毎日。梶さんは、オカダケイシ氏のやり方を守りつつも自分の個性を出すことを意識しているそうだ。
店名

OK COFFEE Saga Roastery

(オーケーコーヒーサガロースタリー)

住所

神埼郡吉野ヶ里町吉田273-11

営業時間 

11:00~18:00

定休日

火、水曜

駐車場

5台

Instagram

OK COFFEE Saga Roastery Instagramページ

アクセス

JR吉野ヶ里公園駅より徒歩約3分

東脊振ICより車で約10分