佐賀から世界へ!次世代のリーダー達!

有田焼の未来を考える若き陶芸家
 

井上祐希さん (27)

変なプライドは捨てて、
やるしかないんだ。

有田焼(白磁)で地球儀をつくる海外デザイナーもいる時代、
事実、有田焼も低迷している。

佐賀への熱い思いを語り合う二人


祖父が陶芸作家 井上萬二(人間国宝)ということもあり、周囲から当然の様に、井上さんが後継者になると思われていた。その事はかなりの重圧だったに違いない。ご本人は今だからこそ飄々されていたが、伝統を継承することにやはり困惑していたと教えてくれた。自分にその大役が務まるのか、将来大成することができるのか。悩むのは当然で、大人がよく口にする「チャンス」という言葉に、喜べないのにも共感できるところがある。だが、スタートするとすぐに彼の中で前向き思考が作用しはじめた。今では有田町400周年記念向けてTシャツ、パーカー製作にも取り組む。なぜなら、焼き物を作るという概念だけで古き良きブランドを維持するのが難しい時代だからだそうだ。
 
日本人後継者が少なくなった今、外国人がその技術を取得し様々な創作物を生み出している。そして、それらは世界中で評価を得ている。同じ焼き物という土俵の上だけで考えていたのでは、取り残されるのではないか、負けてしまうのではないか、と井上さんは危惧している。また、今時の若者は焼き物に興味を示さない傾向が強い中で、どうすれば振り向かせることができるのかと日々模索している。

 

佐賀・地元に貢献したい

本誌編集長・山口ケントも同じく、若者という部分において佐賀の将来に憂いを抱く。若い人が都会に出て帰ってこないことは、地元を衰退させる要因の一つだと感じている。そんな二人に大きく共通することは、家業の後継者であるということ。また、後継者としての意識を持って、東京で学んできたことだ。東京で様々な人、文化、芸術に触れ、感性を磨いて佐賀に帰ってきた。それだけに佐賀を出た時より、東京と佐賀、自身と周囲、様々な面でギャップを感じたという。佐賀に誇りを持ち、佐賀を愛しているが故に、ショックを受けることも多々あったという。また、二人ともファッション好きということもあり、より顕著にギャップを感じたことであろう。感覚の違いは当然、行動にも反映する。都会のビジネススタイルを経験した者からは、地方は、良い意味でも悪い意味でも、ゆるいと感じてしまう場面があるという。自分達が得てきたものと合わせていくことで、佐賀を輝かせたいと強く思っている彼らも感じているのではないだろうか。しかしそこは、自分が一人三役も四役でも買って、先陣切って行動を起こし、周りをどんどん巻き込んでいくことで、佐賀を盛り上げていきたいという。佐賀の人々、協力してくれる仲間、など周囲の協力を得て、行動することの必要性を二人は感じていた。そのためにも、もっともっと頑張らないとね。と二人を笑って、エールを送り合っていた。きっとこういう若者たちが、新しい風を入れてくれることで、佐賀がより輝き、佐賀の未来を明るくしてくれると期待してやまない。

  

井上祐希 
佐賀県有田町在住。27歳。玉川大学芸術学部を卒業後、一般企業での就業を経て陶芸家の道を歩き始める。

以下引用:引用元http://www.arita.jp/news/002080.html

第98回佐賀美術協会展で最高賞受賞

佐賀美術協会展 工芸部門で有田町の陶芸家(井上萬二窯)の井上祐希さん (当時26) の『白磁釉滴鉢』が最高賞に輝きました。(※受賞作品ではありません。)
佐賀美術協会展は、1914(大正3)年に始まった全国的にも例のない歴史ある地方展です。一般公募の部は若手の登竜門としての役割を担っています。

真剣かつ穏やかな眼差し

先代・先々代と

斬新な黒と白のコントラスト!!