大人のお酒の楽しみ方
ムーディーな空間で味わう和酒
2020年12月3日に10周年を迎える和酒バー「香音」。20年前に出会った基峰鶴の梅酒に惚れ、国産のお酒にこだわったバーをオープンさせた。梅酒・果実酒は200種類以上。「これが梅酒なのか?」と、概念を打ち崩すような梅酒が次から次に登場する、お酒好きにはたまらない店だ。
コンセプトは〝香りと音で和酒を愉しむ空間〟。お酒の味わいはもちろん、お酒が醸し出す香りや、カランコロンと氷がグラスにぶつかる音、流れるBGMの音楽、会話など、五感で愉しんでもらいたいという店主は語る。
創業当時は梅酒が中心だったが、現在は日本酒や焼酎、ジャパニーズウイスキー、国産のクラフトビール、日本ワインなども取り揃えている。日本人に生まれたからには、自国のお酒の味を知ってほしいし、日本ならではの〝四季〟をお酒で感じてほしいのだという。
滅多にお目にかかることができない貴重なお酒もたくさんある。知る人ぞ知る隠れ家バーで〝大人の夜の愉しみ方〟をぜひアナタにも体感してほしい。
数ある和酒の中から
ほんの一部だけをご紹介
まずは梅酒から。
左/眠り姫 ア・ラ・フランセーズ(宗政酒造・佐賀)
- 全国梅酒品評会2016で最高金賞に輝いた梅酒。樽で熟成した深い味わいと芳醇な香りが特徴。県産大麦100%使用した焼酎がベース。
中央/十年熟成梅酒 聖(聖酒造・群馬)
- 焼酎をベースに手摘みされた〝白加賀〟という梅を使い、10年間じっくりと熟成された極上の梅酒だ。ほのかな甘みとスッキリとした後味が特徴。生産数が7,777本の限定販売品だ。
右/鳥濱(エコファームみかた・福井)
- 2,500本限定品。まろやかな味わいと樽特有の甘い香ばしさ、琥珀色が特徴。チョコレートやレーズンとの相性がいい梅酒。
今回特別にモデルの2人が、店主おススメの2種類の梅酒を試飲させていただいた。
まず1つ目は女性人気No.1 「tete quraftworks VENEZIA」(宗政酒造・佐賀)。日本酒をベースに、紅茶の茶葉やハーブ、フルーツを漬け込んだフレーバー梅酒。香水のような華やかな香りに一瞬で魅了されてしまったモデルたち。アルコール度数も低く飲みやすいので、お酒があまり飲めない人でも口にしやすい梅酒だ。
2つ目は男性人気No.1 「越乃景虎」(諸橋酒造・新潟)。香りは完全に日本酒。しかし飲んでみると、はじめに梅のスッキリした甘みと酸を感じ、後半ゆっくりと日本酒の味わいに変化していく。後味がスッキリしているから果実酒特有のベタつきを感じない梅酒だ。
続いて、梅酒や日本酒を使ったお洒落で飲みやすいカクテルを紹介する。
こちらは梅酒を使ったカクテル。梅酒の柔らかい甘みとピンクグレープフルーツの爽やかな酸味がバランスよくマッチしていて、とっても飲みやすいと好評。
こちらは太良町のみかんを使用したシャーベット。注ぐお酒は梅酒と日本酒、どちらか選ぶことができる。有田焼のさじが和の雰囲気を際立たせている。
実は同店にはコタツの小上がりがある。鳥かごを彷彿とさせる空間だ。ゆったりとくつろいでお酒を愉しみたい方はこちらの席へどうぞ。
滅多にお目にかかれない! 高級梅酒をご紹介
5年熟成 紀州南高完熟梅酒 樽(中田食品・和歌山)
年間500本しか製造されない最高級梅酒。5年の年月をかけて熟成されたことで、フルーティーな味わいはそのままに角が取れたまろやかな甘みを感じられるそうだ。木箱に入ったシリアルナンバー付きの梅酒なんて…お目にかかれて光栄です。
続いて日本酒
栗駒山 特別純米酒 別誂(べつあつらえ)(千田酒造/宮城)
- 年に一度の限定酒で、酒米ではなく飯米を使用している日本酒だ。上品な口当たりと爽やかさが調和するキレのある味わいで、食中酒におススメ。
県外からのお客様向けに佐賀産の日本酒も用意してある。
冩楽 純米大吟醸 極上二割(宮泉銘醸・福島)
- こちらは値が張る高級日本酒。酒造好適米の中でも最高品種である特A地区「兵庫県六甲山山田錦」をなんと〝20%精米〟で仕込んだ極上の一品だ。どんな味わいがするんだろうか… 一口でいいから飲んでみたい。
- アートと日本酒のコラボ商品。年々ビンテージで作家が変わる、コレクションしたい1本。「世界一精米をお届けする」というテーマからスタートしたという7%精米シリーズの最高峰。こちらは仕入れ値で1本6万円‼
木箱に入った焼酎も
Grand Cru 酒酒楽楽(西酒造・鹿児島)
- 「宝山」でお馴染みの西酒造が製造する高級焼酎。アルコール37度の長期熟成の芋焼酎。深く豊かな香りと味わいに驚きと感動を受けるそうだ。ベロア生地の箱の中にはボトルとグラス、そして造り手からの手紙が入っている。
フード&ノンアルコールメニュー
ここに書いてあるフードはたまにある感じ。お腹が空いた方は鮨割烹ぎんえんの握り鮨や、サニープレス(佐賀)のハンバーガーが注文可能とのこと。
お酒が飲めない方は美味しい日本茶をどうぞ。こちらは八女、知覧、嬉野のブレンド茶。
その場で豆を挽いて淹れてくれるスペシャルティコーヒーもある。
栗山 浩典さん
和酒BAR 香音 -KAON- 店主
高校卒業後、グランドハイアット福岡でフレンチの料理人として働いたという栗山さん。レストランではお客様の前で料理をすることもあり、厨房で働くよりも表に出てやる方が自分に向いてると感じるようになったそうだ。それからバーテンダーに転職し、大名・西中洲、佐賀市で経験を積んだ。大名・西中洲で働いたお店の名前が「月音(ツキネ)」「音音(ネオン)」「檸音(レオン)」だそうで、非常に〝音〟に縁がある方のようだ。
サービスマンになるにはお酒の勉強もしなければと思って働いていたのが、いつしかバーテンダーという仕事の魅力にどっぷり浸かってしまったのだという。きっかけは基峰鶴の梅酒「梅音(ばいおん)」。おや、ここにも〝音〟が…。この梅音の美味しさに衝撃を受け、一瞬でトリコになったのだ。2010年、27歳の時に「和酒BAR 香音 -KAON-」をオープン。仕入れるお酒は日本の四季を感じられるものや、その時期ならではのものを、出来の良し悪しを見てセレクトしているそうだ。
カウンターに立つ栗山さんはいつも和装。お婆様が着物を作る職人だったそうで、幼い頃から着物に親しみがあったと語る。また、カウンターテーブルも畳。とことん和にこだわった素敵な空間だ。
提供するお酒に合わせてグラスの形、温度、注ぎ方も変えている。楽しい空間と美味しいお酒を提供するだけではなく、お酒の個性やストーリーをお客様に伝えることもバーテンダーの仕事だと栗山さん。。
佐賀の人たちに〝BAR〟でお酒を愉しんでほしいと思っています。そのためにはまず知ってもらわないといけないので、現在「おちょこ会」と「高級日本酒会」という2種類のイベントを不定期で開催しています。「おちょこ会」は飲み放題ですが、飲み放題の割には結構いいお酒を出しています。普段バーに足を運ばない方も、バーに行くきっかけにしてもらえたらと思っています。
名称 | 和酒BAR 香音 -KAON- |
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住所 | 佐賀市中央本町2-22 222ビル2階南 |
TEL | |
営業時間 | 21:00~2:30(L.O) |
定休日 | 日曜 |
席数 | 15席 |
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駐車場 | なし 近くのパーキングをご利用ください。 |
アクセス | JR佐賀駅より徒歩約16分 市営バス「中の小路」バス停より徒歩1分 |