21歳の時、本格的にイタリアンを勉強したいとイタリアン店が犇めく街、名古屋へと向かった。そして、言わずと知れた有名イタリアン店に飛び込み、「ここで働かせてください」と直談判。修行の毎日がスタートした。厳しすぎる環境の中で何度もくじけそうになり、何度も辞めようと思ったという野中さん。グッとこらえて耐え抜いたあの2年間の修行が、今に活きていると話してくれた。その後帰佐し、イタリアンとは違うジャンルを勉強したいと佐賀市内の和食店で5年勤務した。和食店では懐石料理や葬儀弁当の仕出しなどを経験。2019年3月21日、念願だった自身の店舗をオープンさせたのだ。

ランチ営業とディナー営業をほぼ一人で対応して―… 正直キツくないですか？と問うと、「体力的にしんどい時もありますが、お客さんからの〝美味しかったです〟の一言で、疲れなんて吹っ飛びます。その言葉を聞くためにまた頑張ろうって思いますね。」と、ちょっと恥ずかしそうにはにかむ笑顔が印象的だった。

自分にとってのイタリアンとは

――なんでしょうね。一言で表すのは難しいですが…　強いて表現するとすれば「自由」ですかね。僕が今やっているのはカジュアルなイタリアンなので、かしこまったイタリアンとはまた違うのですが、型にハマらずに自由な発想、自由な味付けができるものかなと思っています。僕のお店は敷居も高くないですし、本当に気軽に利用していただけるかなと思います。友達と来るもよし、好きな人と来るもよし。ゆっくりと流れる時間の中で、美味しい料理と楽しい会話を楽しんでもらえたら嬉しいです。皆様のお越しを心よりお待ちしています。