ナビゲーター/SAKI & MOMOKO

明治創業の老舗旅館


明治の天才画家・青木繁が宿泊したエピソードでも知られる歴史あるお宿。フロント・ロビーがある建物は昭和8年に建てられたもの。創業は明治22年にさかのぼり、今年で130年にもなる。創業当時は今の商工ビルのある当たりにあったそうだ。ご存知の通り、白山アーケードはかつての長崎街道。相当な賑わいを見せていた。

その通り沿いの宿屋として創業し、大正時代に八幡小路に移り、中の小路まで拡張。白山当時の明治43年、亡くなる1年前の青木繁は佐賀を放浪していた。その年の4月、当時の佐賀の新聞社・西肥日報代表の西栄太郎代議士の企画で開催された青木の展覧会が大盛会。あけぼのは西代議士の定宿だったが、それが縁で青木もあけぼのに延べ半年間投宿。展覧会の大成功で、当初は羽振りが良かったが、派手好みで遊び好きだった青木は豪遊の末に無一文となり、あけぼのを追い出されるように出て行った。その時に宿代替わりに置いていった絵が「温泉」という作品だが、それらのエピソードは青木繁の伝記本にも登場している。そんなエピソードがこの旅館にあるのが、なんだか温かくて微笑ましい。


女将・音成洋子さん



25歳で当旅館に嫁いで以来、歴史深いこの旅館を切り盛りしてきたのは、美人女将の音成さん。非常に若々しく精力的で、はつらつとした雰囲気がとても印象的だった。物腰も柔らかく、どんなタイプのお客様でも包み込むような優しい雰囲気は、きっと訪れるお客さんを残らずファンにしてしまうことだろう。

創業130年を誇る当旅館も、押し寄せる時代の波と共に老朽化が進み、常にメンテナンスのことが頭をよぎるという女将。機能性を重視したビジネスホテルとは大きく異なる旅館では、接客形式も現代風に合わせるべきか否か、女将の苦悩は絶えないようだ。しかし、そんな苦労を微塵にも見せず、女将自ら館内を案内してくれ、「旅館あけぼの」の魅力を教えてくださった。


数寄屋造りのロビーには、社長の趣味である浮世絵や先代社長が撮影した有明海の写真などが多く展示されている。

女将の話し方や言葉選びは、女性として本当に学ぶところが多く勉強になると、熱心に話を聞き入るMOMOKOだった。

館内の様子



玄関口には風情のある木のベンチ。街中散策用にレンタル自転車も完備されています。

ロビーはゆったりとした雰囲気で、中庭を眺めながらくつろげる空間です。

ロビーの床の間に飾られた重厚な面持ちの焼き物。この旅館には至る所で佐賀の焼き物やビードロを鑑賞できます。

情緒溢れるフロント前で女将がお出迎えしてくださいました。チェックインを済ませたらお部屋に向かいます。

館内の至る所に絵画や書などが展示してあります。

こちらは、ロビー裏手にある年季のある階段。手すりや段差の擦り減った部分に多くの芸術家の足跡を感じます。

踊り場には目に留まるアンティークの品々も。

宿泊室、催事・食事部屋の紹介


ツインルーム


洋室ツインは全2室。素材や色にこだわった寝具でゆったりと寛げます。

各部屋の壁には、その部屋に合う芸術品が飾ってあり、シンプルな空間に高級感と華を添えています。

床がフローリングのツインもあります。

シングルルーム


2018年にリノベーションされたシングルルーム2部屋は、貝灰の漆喰で地中海リゾートを彷彿とさせる空間。貝殻の成分が残る為、地中海の「石灰漆喰」と比べて色合いがほんの少しグレーとなり、目に優しく落ち着く風合いです。設計は、伝統素材による賃貸物件リノベーション「漆喰と木の室」シリーズを手がける「建築工房」さん。

清潔感のあるベッド。浴衣も準備してあります。

先代社長は有明海をライフワークとして撮り続けた写真家さんだそうで、お部屋には四季折々の景色や有明海の生き物たちの生き生きとした姿が納められたフォトブックが置いてありました。

和室

落ち着きのある調度品や畳の温かさに触れ、旅や仕事の疲れを癒してくれる和室は全7室。館内にはエレベーターはありませんが、随所に絵画や焼き物、書物が展示してあるので、よいしょよいしょと休憩しながら登っていくのも楽しいです。

ロビー棟2階 お食事の間


お食事をいただくお部屋は、昭和初期に建てられたというロビー棟の2階にあります。この日、床の間に飾ってあった掛け軸「主人公」は金閣寺や銀閣寺の御住職、有馬頼底氏が揮毫なさったものだそうですよ。

広縁には歴史を感じるテーブルと椅子があります。

趣あるお部屋でいただくお食事は、お腹だけでなく心までも満たされますね。

中宴会場


こちらは昭和初期のまま残る数寄屋造りの広間。奥には 幕末の佐賀藩 士で、近代日本の歴史学 における先駆者「久米邦武」の掛け軸が飾ってあります。

ご家族やご友人とゆったり和やかに過ごせそうな空間です。畳に椅子席なので足の悪い方やご年配の方も安心。

居間から見えるお庭の緑にほっと一息。

お宮参りや初節句、お食い初めなど
お子様の行事はぜひこちらで



お宮参り・お食い初め(百日の祝い)・初節句・初誕生(餅踏み)・七五三など、成長するお子様のお祝いは、心からの感謝とさらなる祈りを込めて執り行う日本伝統の大切な儀式。当旅館は、これらの節目のお祝いを心を込めてお手伝いしてくれます。

昭和初期に作られた心地よいお食事部屋です。結納や法事などもできるそうなのでぜひ一度相談してみてくださいね。

豪華なご夕食の紹介


御献立(料理長 森永幸則)

・先付 有明海産わらすぼの唐揚げ/かけ和え
・前菜 さわら西京焼/枝豆/山もも/ヤングコーン/海老/酢取りみょうが/ふくさ焼き/蓮根せんべい
・吸物 枝豆とうふ/海老/結び三葉/木の芽
・向付 かんぱち/まぐろ/いか
・焚合 南京/里いも/こんにゃく/ごぼう/れんこん/なす/人参/絹さや
・煮物 有明海産くちぞこ煮つけ/有明海産むつごろう甘露煮
・蒸物 茶碗蒸し
・替皿 佐賀産和牛ロース網焼き 五種の薬味添え
・揚物 揚げだしいちじく
・飯物 佐賀産米ひのひかり 自家製香物添
・果物 メロン/巨峰/パイナップル

当旅館のご夕食の特徴は、佐賀の特産品を使ったお料理がふんだんに味わえることです。珍しい食材や郷土料理などバラエティーに富んでいてとても楽しく頂けますよ♪
※メニューは季節・仕入れの状況で変わります。


食前酒は梅ジュース。

前菜の盛り合わせ(2名分)。

お吸い物には枝豆豆腐と海老、結び三つ葉が入っています。

玄海で採れた新鮮なお刺身。

お上品な味わいのクチゾコの煮付け。

こちらは田舎煮しめ。なんと器は150年も前のものだそうですよ。

女将が竹箸で取り分けてくださいました。

佐賀県産の和牛は脂がとっても甘くて白ご飯が欲しくなる一品です。

こちらはなんとイチジクの天ぷら! お出汁との相性が抜群で度肝を抜かれた逸品でした!

お料理のお味もさることながら、器の美しさにSAKIもMOMOKOもうっとり。

骨まで柔らかいむつごろうの甘露煮。

佐賀の郷土料理「かけ合え」。この日掛け合わされた海の幸はコハダ(通称:このしろ)でした。

有明海のエイリアンと呼ばれる「ワラスボ」の唐揚げです。柔らかくするために何度もまな板の上で叩き、素揚げされています。

体に優しいご朝食の紹介


御献立

・ひじき煮つけ
・ほうれん草ごま和え
・厚揚げとこんにゃく煮〆
・だし巻き卵 すり大根添え
・焼魚
・野菜サラダ
・有明海産海苔(諸富 飛鳥工房作 海苔ほいろ入り)
・白ご飯
・お味噌汁


朝食は、爽やかな気持ちで召し上がっていただきたいと、色みを抑えた器を使用しているそうです。

正統派の日本の朝食を提供したいと語る女将。

こちらの木箱は「海苔ほいろ」といって、下段に炭を入れ海苔を温めるものだそうです。これによってパリパリっとした食感になり、香りが立つのだそうです。

厚みのある立派なだし巻き玉子。

こんにゃくと厚揚げの煮物。

ひじきの煮物。

朝食は大正時代にタイムスリップしたような空間でいただけます。

気になった書籍を片手に静かな朝を過ごすのもいいですね。

お風呂の紹介



浴場内の檜風呂は三方ガラス張りに囲まれ、坪庭の見えるお風呂です。

スタッフさんが命名した「気持ちの与三郎」が浴場入口でお出迎え。

「お湯が柔らかいとお客様に好評なんです。」と教えてくれました。

第33回 あけぼの寄席



来たる 2019年9月28日㈯「第33回あけぼの寄席 歌之介改め四代目三遊亭圓歌 襲名披露公演」が開催されます。 新作落語から古典まで一層磨きのかかった四代目圓歌のリズミカルな爆笑講座を味わってみてはいかがですか。 弟弟子の歌武蔵や歌奴ともども、口上を挟み賑やかなひと時となるでしょう。☞  イベントの詳細はこちらから

おっと~! 君たちはダチョウ倶楽部?(笑)こちらは舞台付宴会場(大広間)で120名(立食は180名)まで収容できます。椅子・テーブル、お座敷、いずれのご利用も可能です。お祝い事やご法事、歓迎会や忘新年会などの各種ご宴会にご利用下さい。

名称

旅館 あけぼの

住所

佐賀市中の小路3-10

TEL

0952-24-8181

IN/OUT

チェックイン 16:00~

チェックアウト ~11:00

駐車場

50台(大型バス可)

HP

☞ あけぼの 公式ホームページ

アクセス

JR佐賀駅より車で約8分

佐賀大和ICより車で約15分