創業５年目を迎えるオーナー高岡さんは、寿司職人として名古屋で９年、カリフォルニアで６年の活動の後、郷土に戻りこのお店を開店した。
とにかく佐賀でお店をしたかったと語る高岡さんの心は、郷土への愛で溢れている。だから自ら農家へ出向きそこでじっくりとお話をしてから、例えば普通では出荷できなくて捨ててしまわれるような野菜達の使い道を考え、農家の皆さんのご苦労が無駄にならないようにとそれらの食材を引き取っている。互いに共存していくには最も良い方法だと思う。それこそが、カリフォルニア流なのだとそうだ。

もちろん野菜がメインでその日ごとに様々なコース料理が高岡さんの発想から生み出されていく。そんな中で高岡さんは、野菜料理＝日本料理で、しかもワインに合う一皿を提供している。でも、何ができるかは野菜達と話してみなければわからない、どう料理すれば一番おいしく生まれ変わらせることができるのか、それは自分の考えだけで決まるものではない、と高岡さんは言い切る。なんとも謙虚な姿勢だ。中には自分の腕に自信を持ちすぎるがあまり勘違いした料理人もいると噂に聞くこともあるが、ここまで謙遜した言葉が出るともはや感動さえしてしまう。