しかし、絶対に妥協はしたくないというその心意気には素敵な職人気質を感じるし、そうやって出してもらったパスタの味に思わず誰もがこうべを垂れるだろう。味もさることながら料理の盛り付けは目を見張る美しさ。コース料理の最後にこんなにキラキラと輝くデザートが出て来たら絶対笑顔になるし〝素敵な時間だった〟と最高のフィナーレが迎えられるはずだ。男性用の大盛りパスタ（+220円）もあって、最近は1人で来店される男性も多いそう。

料理との出会いは小学校の頃だった。「これからの時代は男が料理できんとダメぞ！」というお母様の一言で、お米の研ぎ方から習ったそうだ。その甲斐あって料理が得意になったと懐かしそうに語ってくれた。
そんな富田さんは仕込みや準備に多くの時間をかける。それがこだわりなのだ。「時間かかってもその分しっかりした料理を提供します。」と直接お客様に伝えているそうで、その言葉に好感が持てるのはきっと私だけではないだろう。富田さん自身が時間をかけてでも納得のいく、そしてお客様に喜んでいただけるものを常に提供し続けることで、満足度の高いサービスになっているのだ。そして同店の魅力は生パスタだけではない。締めのデザートも同様だ。美しくて美味しいデザートで最後まで楽しんでほしい。その思いはご自身の経験からきたものだった。以前、飲食店でコース料理を食べていた時、最後のデザートが残念だったというもの。「今まで全部美味しかったのに最後がこれか…。」と正直ショックを受けたそう。その時、もちろんメイン料理がメインではあるが、最後に口に運ぶデザートがしっかりしていたほうがお客様はの満足度は高くなると感じたのだっだ。

10年目を迎えたときに、やっと新人・ルーキーを卒業できるかなという思いを持っているという富田さん。今後、2階を改装して団体のお客様を受け入れられるようにしたり、移動販売なども視野にいれているそうだ。「8年支持していただいたお客様に心から感謝するとともに、まだカフェトミタを知らないお客様もたくさんいらっしゃると思うので、SAGARICHの記事をきっかけにこれから足を運んで頂けたらと思います。 」とメッセージをくれた。