編集長KENTOの対談コラム


次世代のリーダー


樺島 賢吾さん
レグナテック株式会社
エグゼクティヴブランドマネージャー


家具を通じて自分を表現する。
ライフスタイルを
トータルにクリエイト。
新進気鋭、勝負の3代目!

The Future of KENGO KABASHIMA


アーティスティックなライフデザインの中にある“家具”


現代家具業界の現状
佐賀にあって諸富は木工製品を特産品とするある種の特区的な存在だ。そこには戦前戦後からの各製造メーカーが多くあるが、樺島さんの会社レグナテックは創業50年ほどになる。
祖父が創業者であり彼は3代目を継ぐ者だ。現在29歳、新進気鋭のファニチャープロデューサーとして同世代の経営者たちからも一目置かれる存在で、その活動内容は現代から未来を見越したあらゆる意味でボーダーレス。ゆえに、樺島さんの次の一手は常に周囲の人たちから期待されているかもしれない。

さて、昨今の家具デザインも様々なコンセプトが用いられデザインされている。もちろん、中には伝統的技法や風合いを頑なに守り続けているものもあれば、流行の北欧調に“和”のテイストを取り入れたりと実に多様化している。さらには、その用途の幅広さも同様の進化を見せている。機能としては今も昔もさほど変わらないのに、なぜなのか? を樺島さんに尋ねたら、現代的思考にあった色合いやカタチ、ファンクションを感覚的に求める人々のニーズに合わせて追い求めた結果なのだ、と教えてくれた。

樺島さんがチャレンジするブランディングと海外戦略
樺島さんは「人間の未来=家具の未来」をそれぞれのライフスタイルをトータルに考案していきたいと考えている。それを主張する一つの方法として樺島さんの会社では、CLASSE.ARIAKE.CLANTREEという自社ブランドを立ち上げ、これを世界で展開している。デザインは外国人が行い製作を日本人がまかなう。そうして出来上がった家具には、独特の風合いが漂う。どことなく異国情緒が感じられつつも和の匂いもするのだから一見不思議だ。でもお洒落で使いやすい。こうしたテイストの融合が新しい世界観をもたらし家具に新たな可能性を与えることになるのだろうと感じた。ちなみに、樺島さんの会社はラオスでの家具作りという国家プロジェクトにも参加しているそうだ。
新しいことにチャレンジすることの喜びを純粋に楽しめるのは若さゆえのことなのだろうか? そういう意味では、KENTO編集長も常にチャレンジしそれを楽しんでいるから、二人の感覚は共鳴する部分が多く会話も大いに盛り上がった。

ライフスタイルをトータルにプロデュースする
KENTO編集長
「生活の中で必要なものは、実は全て連動しているのにそれを判断する方法は全部個別になっている。だから、全体の色が見えなかったり雰囲気をつかみづらかったりと分かりにくい。例えば、自分はファッションの専門家だけど、お客様がどんなシチュエーションの中でその洋服を使いたいかによって色や機能やデザインは大きく異なるはず。しかし、実際に洋服を買いに来るお客様の想像力はなかなかそこまで及ばないことが多い。ゆえに自分に合うかどうかだけが判断の基準になってしまい、悩まれる方が多いわけです。そんな状況においては特に、空間の演出をした方が洋服のイメージは湧きやすいでしょうね。その相乗効果としてソファーも洋服も共に、よりその魅力をPRできますね。お客様にも満足していただける結果を得られると思うんですよね。」
樺島さん
「そうですね、まさにその通りです。家具なんて、それ単体でしかお買い求めに来られないですから、お客様の理想と合うまでに結構苦労するんですよね。だから僕は、家具を販売するというよりも、家具を基軸にしてトータルにライフスタイルをプロデュースしお客様にご提案したいと考えています。」

ブランドマネージャーとして未来を創る二人


本物の素材と技術を使った商品
北欧メーカーや国内メーカーに対抗する伝統メーカーの新しい価値作りを考えた時、樺島さんは自社製品を積極的に海外で販売することを考え実行している。これは、自社製品のブランディングとしてとても重要なことだそうだ。というのも、日本の伝統工芸製品は海外の富裕層にはとても評価が高く購入される頻度が多いからだ。家具は生活品という観点から、使える高級な調度品という価値づけを促しイメージを定着させ、その結果、海外からの評価を日本国内に反映させることでブランド品としての価値を生み出したいという戦略的手法によるものだ。物がたくさん売れれば良い、という使い捨て的発想の現代にあって、良いものをより長く大切に使うという日本古来の「もったいない」という概念も海外に向けて普及されるような気がして、この戦略は聞いていて心地良い感じがした。

家具を販売する将来的展望
見せ方を考える時、家具屋さんのショースペースは様々な可能性を持っているとKENTO編集長は言う。「家具を置いてあるショースペースは、他のどの小売りの商品スペースよりも広く考案されているけど、家具しか置いていないのはもったいない気がしますね。そこではその家具を使う人々の疑似体験ができるわけだから、例えば、洋服とか家電とかが複合的に会った方がより魅力的なスペースとして多くの人々に見に来てもらえるんじゃないかな? ヨーロッパなどの考え方では、良いものは大切により長く世代にわたって使うって感じのところもあるのだけれど、家具ってまさにそんな考えにマッチするアイテムですよね。実は僕は家具が大好きでしてね。家具を基軸にした空間を作るのが大好きなんですよね。」

ブランディングとは?
例えば有田焼などは作った人の名前がブランドに直結しているが、家具や服はそうではないから、過程において職人さんの名前がピックアップされることはない。なぜか? それは製造過程における特徴として一人の人が一貫して作っているかどうか、にあることを樺島さんは指摘した。つまり、家具や服は分業制になっているから、強いて言うならデザイナーさんの名前がフォーカスされたとしてもその他の人が注目を浴びることはない。ゆえに、メーカーとしてのブランドアップにしかならない。となると、今回対談した二人、KENTO編集長と樺島さんの持つ役割は実に責任が重いように感じる。なぜなら、この二人は多くの人々を操る指揮者のような存在で、彼らが振るタクトによって追従する人たちの動きに影響するからだ。だが、それだけにやりがいも大きい。
現代において、起業家の家系にあって生まれながらにして継承者たる運命を持つ人々も珍しくはないが、その双肩にはそこに追従するすべての人々の運命もかかっていると考えると身震いする想いである。しかし、今回の二人は果敢に、しかも(見た目は)気楽にチャレンジしているようで、とても楽しく対談を聞くことができた。

KENTO編集長の所感


樺島さんと直接お会いするのは2回目。
初めて会った時に直感的に彼は佐賀には欠かせない人物だと感じた。
佐賀から世界を見据えて、佐賀のモノづくりをヨーロッパ、そして世界へ発信し続けてる。
そのブランディングを考えている樺島さんはもちろんのことだが、広角レンズで物事を見ている。家具業界のこと、ライフスタイルのこと、佐賀のこと。いろんな分野の話をしたが、彼の一つ一つ発する言葉が前向きで、非常に嬉しくなった。
ぜひ今後は佐賀を一緒に盛り上げるために、共に行動していけたら思う。
ありがとうございました。