修業を始めたばかりの頃は上下関係や仕事の厳しさに耐え切れず、挫折寸前で何度も実家に電話をしていたそうだが、それも1年程で落ち着き、段々と楽しさが分かってきたそうだ。その後、パティシエとして成長した山本さんは地元に戻り、父と実家の和菓子店「山本製菓店」を和洋菓子店「シェ・ヤマモト」としてリニューアルオープンさせた。最初は1日に5組しか客が来ない日もあり苦労したというが、口コミなどで徐々に広まり、今では多くの客が訪れるようになった。山本さんは「ぺシェ・ミニョン」での修業時代に良く言われたという「当たり前のことをやれ」「ワンランク上の美味しさを追求しろ」という言葉を今でも胸に掲げ、日々手間暇をかけて美味しさを引き出し、食べた人の記憶に残るようなお菓子を作り続けている。今後の夢について尋ねると、「息子が北海道の洋菓子店で修業中なので、将来この店でなくてもいいが、どこかで一緒に店をやりたい」と笑顔で語ってくれた。