2019.5月号
ナビゲーター/MAKI & HARUKA

水耕栽培で作る野菜
活き活き工房夢ファーム



活き活き工房夢ファームは「社会福祉法人ステップさが」の1つの事業所。こちらでは水耕栽培でレタス、サンチュ、バジル、青じそなどの野菜を生産しています。「就労継続支援B型事業所」として障害を持つ方、その障害によって社会生活で息苦しさを感じ適応できなくなった方などが社会復帰を目指して訓練をしている場所です。
2019年で8年目を迎え、現在利用者(勤務する障害を持つ方の呼び名)さんは16名、スタッフは5名。設立当初から、障害を持つ方が作っているからという理由で買ってもらうのではなく「安心して美味しく食べられるものを作ろう」をスローガンに、徹底した衛生管理を行い、安心・安全な商品を生産しています。

工場内で水耕栽培を行うという環境は障害を持つ方に非常に適した作業なのではないかと、2012年4月に国と県から補助を受けて設立されました。  障害の重さや状態は人それぞれ。だからその人に合ったサポートをして社会に復帰してもらえるように心がけているそうです。また、利用者さんたちに生産した商品を購入してもらう喜びを味わってもらうために、直接お客様に接する機会の創出も行っています。その経験から利用者さんたちはこの仕事に誇りを持ち、一生懸命仕事に取り組んでいるのだそうです。 設立したばかりのころは、出来上がった野菜を1つ1つ手に持って営業に回ったそうです。季節によっては市場の商品の方が安い時もあるはずなのに、今日までずっと取引をし続けてくれるお客様もいらっしゃるそう。それはここの商品の品質の良さとみなさんの想いが伝わっているからだと感じました。

特別に工場内を見学させてもらいました!



2人とも白衣を装着! 工場内に潜入させてもらいました!

手洗いと消毒を済ませたらホコリを落とすためにエアシャワーを浴びます。

相場さんのお話しを真剣に聴きながら、水耕栽培されている棚を興味深々に見つめています。

種を播いたあと、育苗棚(いくびょうたな)という棚で育てられます。

日々少しずつ大きくなる野菜たちになんだか元気をもらいます。

こちらではレタス、サンチュ、バジル、青じそが栽培されています。

工場内には野菜が育つトレーの1つ1つに番号が付けてあり、種を播いた日や収穫する日が記されています。

収穫を体験させてもらいました!



今日収穫させてもらったのはレタスです。

お野菜の根元をハサミで切ります。

上手にできた~♪と嬉しそうなMAKI。

HARUKAはどうかな~?

さすが! 飲み込みが早くてバッチリでした!

収穫したお野菜たちを乗せたカートを押しています。なんだかとっても様になってますね♪

収穫したお野菜の袋詰めにも挑戦!



まずはレタスの根元の部分をきれいに拭きます。

クリアファイルのような専用のプラスチックの上にレタスを置いて

それをくるっと丸めて袋の中に差し込みます。

ファイルを抜くと綺麗に入ります。あとは専用の道具を使って袋を閉じれば完成です!

採れたての新鮮なお野菜を実食!



スタッフの方が採れたての新鮮なレタス美味しく食べて欲しいと「レタス鍋」をご用意してくださいました!

こちらの赤いジュースは何だと思いますか!? 正解は…こちらで採れたシソのジュースなんです!

シンプルな味付けのお鍋には人参やキノコなどのお野菜と、こちらで採れた2種類のレタスを使います。

合わせるお肉は豚肉の薄切りをチョイスしました。

最後にレタスを投入! しんなりしたら食べ頃です♪

レタスってサラダで食べるイメージだったけど、お鍋に入れたらこんなに美味しいんだな~って驚きを隠せない2人でした!

同じ法人内の別の事業所「まる工房」で作られたジャムが販売されていました。

果物を使った全5種類。とっても美味しそうですね~♪

本日収穫させてもらった新鮮なお野菜をモデルの2人にお土産としてプレゼントしてくださいました。「おうちに帰って美味しくいただきます!」と嬉しそうな2人でした♪

理事 相場さん



「社会福祉法人ステップさが」は総合商社的な団体で様々な事業体があり、そのそれぞれの事業所に代表がいるような形を取っているのだそう。そのステップ佐賀の事業所・活き活き工房夢ファームの理事を務める相場さんだ。

就労継続支援施設にはA型事業とB型事業とがある。

A型は利用者と雇用契約を結ぶ。佐賀県が設定している最低賃金をきちんと支払うため、ある程度の高い能力と責任を求められる。一方B型は、社会復帰に向けて事業所に毎日通うところを目標に始めようというスロースタートの職業訓練なのである。就労に向けて時間を守る、挨拶をする、毎日来るということを目標にする人もいれば、年齢を重ねたことで出来ることが少なくなってきた社会経験豊富な年配者が日中活動として利用することもある。そう、B型事業所の利用者さんの幅は広い。
ここ夢ファームでは1日の固定工賃×日数と、収益手当(=それぞれの仕事に対する評価をプラス)の合計で工賃を支払っている。利用者さんを皆同じに扱うのではなく、それなりの評価を与えることにしているそうだ。

大変なことは?

「施設をやっていく上で大変だけど最も大事だと思うこと。それは通ってくれている利用者さん、1人1人に合ったサポートをしていくことです。人それぞれに個性があるように、同じ障害名であっても人によって症状は違います。だからそれぞれに寄り添って個別に対応してくことを心掛けています。」と相場さんは語る。

昨今、社会生活で挫折してしまい部屋に引きこもってしまう人、病気が原因で社会に戻りたいけど戻れないという人が多いと耳にする。また、そういう人が福祉施設を利用することで社会復帰のチャンスがあるんだと知らない人が多いのも現実だ。
お話を伺うMAKIとHARUKAに対してサービス管理責任者の江頭さんはこう語る。「社会の壁にぶつかって、一生懸命もがいて立て直そうとしている人がいる。そのことに理解を示そうとしてくれる、分かろうとしてくれるだけでも嬉しく思います。佐賀には100以上のB型事業所があるけれど、身近に感じることってどうしても難しいんですよね。今回サガリッチさんで取り上げていただいて、家から出られなくて悩んでいる人に、こういう場所があるんだと知ってもらえたらと思います。」
もしその人に、手を差し伸べたいと思っている人がいるなら、ぜひ一度相談してほしい。スロースタートでいいから、もう一度社会に復帰できるように、一歩足を踏み出してみませんか。貴方を温かくサポートしてくれる人たちがここにはたくさんいるから。

名称

社会福祉法人ステップさが 就労継続支援B型事業所 活き活き工房夢ファーム

住所

佐賀市鍋島町八戸3077-1

TEL

0952-26-3966

メール

☞ yumefarm@step-workers.com

営業時間

9:00~17:00

定休日

日曜、第1・第3土曜

駐車場

あり

HP

活き活き工房夢ファームホームページ

備考

社会福祉法人ステップさが

住所:佐賀市鍋島町鍋島2012-11

TEL:0952-33-1507

メール:npo-stepw@space.ocn.ne.jp