2019.4月号
ナビゲーター/MAKI

佐賀の酒造りの始まり
窓乃梅酒造



当蔵は元禄元年に佐賀鍋島藩より藩の余剰米の利用法として酒造りを命じられた初代古賀六右衛門により「寒菊」の銘で創業した。ではなぜ現在の「窓乃梅」という銘に変わったのだろうか。実はこのようなエピソードがあったのだという。
時は安政七年(1860年)三月。春とはいえ山峡に寒気が満ちて、野面を渡る風も冷たく肌を刺す夕暮であった。
酒倉の横にいまを盛りと咲き誇っていた白梅の花が、さっと吹き過ぎた一陣の風にすくい上げられ空に舞った。次の瞬間、それらの花吹雪は酒倉の窓に吸われるように消えて行った。あっという間の出来事である。
仕込みの桶は、時ならぬ落花にまたたく間に雪をかぶったようになった。驚いたのは杜氏である。桶にかけ寄ったものの何ら手のほどこしようもなく、呆然と突然変異に見舞われた桶の前で手をこまねくだけであった。しかし、その杜氏をはじめ全員の不安のまなざしを尻目に一つの奇跡が起こったのである。梅の花びらの浮かぶ桶の中から、かってない芳醇な香りが漂よいはじめたではないか。驚き、喜んだ杜氏はこの旨を告げに八代、文左衛門のもとに駆け込んだ。やがて、桶から汲み上げた酒を口に含んだ文左衛門の眼が異様に輝き出だした。まさにこの時奇跡が起こった。

文左衛門はちょうど昨年秋より西の宮に酒造技術の研究に出かけ帰ったばかりである。西の宮でもこのような話は聞いたことがない。この現実は天の恵みと解釈する以外にないのである。彼は早速この酒を時の藩主、鍋島直正公に献上した。腹に染み渡るまろやかな味。酌めどもつきない芳醇な香り。公は喜び、筆を取るとさらさらと一筆その場でしたためた。

年々にさかえさかえて名さえ世に香りみちたる窓乃梅が香

これを直臣、古川松根氏がさらに掛軸に仕立て上げ、文左衛門に贈った。現在、古賀家の家宝となっている掛軸がそれである。「窓乃梅」の名称がここから出たものである事は言うまでもない。(以上、窓乃梅酒造HPより)


社長 古賀 醸治さん


窓乃梅酒造株式会社は元禄元年(1688年)の創業以来、300有余年に及ぶ長い歴史を持っております。 佐賀県内最古の酒蔵として、また九州を代表する銘柄として現在に至りましたのは、歴史に積み重ねられた皆さまからの信頼の賜物と存じます。しかし、その信頼に安住せず、家族的な連帯感の強さを持つ社風を活かして常に旨し酒造りの道を模索することに一丸となって取り組んでおります。 私たち窓乃梅酒造株式会社は日本食文化の一翼を成す日本酒文化の担い手としてより多くの方が日本酒に親しんでくださるように「良品適価」を心掛け、伝統と日本酒文化の花を咲かせて参ります。(以上、窓乃梅酒造HPより)


海外に輸出する為に新しく作られたNEWデザインのボトル。

利き酒をさせて頂きました。芳醇な香しいお酒の香りにしびれるようでした。

丁寧で優しく取材に応じてくれた古賀社長のお人柄が、まさにこの美味しいお酒を社員の皆さんと共にお造りになっているのだなと感じました。

商品の紹介


窓乃梅は、九州でいち早く「純米酒」造りに取り組んだ蔵元です。九州では珍しい「生もと系山廃」酒母による酒造りなど伝承技術の継承にも力を入れています。また、40数年ぶりに木桶仕込を復活させました。現在のように日本酒造りが機械化される以前の「木桶仕込」はいわば日本酒造りのシンボルです。若い蔵人には日本酒の伝統的基本である木桶仕込を知らない者も多くなっています。日本古来の伝承技術を絶やしてはならないという思いで、窓乃梅では300有余年の歴史を持つ蔵元としての使命と、一酒造家としてのロマンを傾けて木桶仕込の酒を復活させました。(以上、公式HPより)


当蔵では純米大吟醸・特別純米・純米吟醸などの種類が作られています。中には冷用酒として作られているものもあるそうです。酒米の最高峰「山田錦」を45%まで精米した純米大吟醸酒などは、丁寧に仕込んだ醪を低温でじっくりと発酵させているそうです。 長い歴史の中にあって、様々な品評会等でたくさんの賞を受賞されてきました。

純米大吟醸らしい質感の高い飲み口をお楽しみください、と謳われた同酒の720mlは国際線のファーストクラスでサービスされたこともあるほどで、日本を代表する逸品と言えるでしょう。


佐賀県産米100%を60%精米で仕込んだ特別純米は、芳醇で深い味わいが特長。ぬる燗又は、上燗がお勧めだそうですよ。

佐賀県産の酒造好適米さがの華を精米歩合55%で仕込んだ純米吟醸酒は、華やかな吟醸香と味わい深いキレのある旨さが特長です。

焼酎もあります。佐賀県産の「二条大麦」100%を原料に仕込んだ麦焼酎を竹炭で濾過しました。竹炭の力により純粋で透明感のある焼酎ができあがりました。全てが県産原料で、このこだわりが焼酎造りのすべてを語るのだそうです。

酒造場を見学させてもらいました!



酒粕を踏んで練り粕を作っています。

ズラリと並んだ仕込み用のタンク。

一つ一つの機械が重要な役割を担っています。

凄い量が入る巨大タンクは圧巻です。

焼酎熟成用樽からも味わいが漂っていました。

蔵の中はかなり寒い。でも見学は楽しいので、みなさんも是非窓乃梅酒造さんを訪ねてみてくださいね!
名称

窓乃梅酒造株式会社

住所

佐賀市久保田町大字新田1833-1640番地 

TEL

0952-68-2001

営業時間

8:30~17:00(1月半ば~3月初め)

※必ず事前の予約をお願いします。

駐車場

あり

※大型バスは不可

HP

窓乃梅酒造ホームページ

アクセス

佐賀大和ICより車で約35分

JR久保田駅より車で約20分