ポリシーとしては、自分がどう感じるかよりもお客様が何を感じるかが重要としていらっしゃる。現代は、SNSの情報が良いほど期待してお店を訪れる人が多い時代。だが、このお店の商品は一般的に求められているような、奇抜で派手な商品はないと言われた。期待外れになってしまうかもしれない、とも。しかし、自分はアミューズメント性があるような嗜好品としてではなく、食品として物作りをしたいと思っている、と真っ直ぐに答えてくれた。その気持ちが、素材本来の味を生かしたケーキという結果に結びついていて、オープン以来、リピーター達の心を掴んで離さないのだろうと感じた。店内のデザインはとてもおしゃれだ。貼ってある木板には“TAKA”の焼き印があるなど、オーナーのセンスが随所にみられる。限られた予算で出来ることをしただけと仰っていたが、そのアイディアはお菓子だけに留まっていない。

車の通りが多い道路沿いで、さらに入り込んでいるため、たまたま通りかかったから来たという飛び込み客は少ないと言う。つまり、固定ファンが多く、ほとんどが常連のお客さんだそうだ。オープン以来約20年間、そんなお客様に支えてもらっているとオーナー。新規のお客さんは知り合いから聞いたり、頂き物をしたから来たという方が多いそうだが、それだけ商品の魅力が深いのだろう。