2018.9月号
ナビゲーター/MAKI & MOMOKO

銘酒 前(さき)を生んだ伊万里の酒蔵
古伊万里酒造



創業は1909年(明治42年)。伊万里の呉服屋さんからスタートした古伊万里酒造さん。酒屋さんからお嫁さんをもらったひいお爺さんが酒蔵を開業し、現社長で4代目となる老舗である。銘酒・前は、ちょうど10年前に純米酒ブームの中、酒屋さんからの様々な意見などを取り入れて誕生した。水は有田から、米は8割佐賀県産を使用している。

古伊万里酒造さんには現在、「古伊万里」を先駆けとし「古伊万里・前」などがある。それぞれ大吟醸・純米吟醸・純米酒などと種類が分かれる。この酒蔵の吟醸系の味の特徴は「香りがあって切れ味の良いすっきり飲めるもの」を目指し、製造に取り組んでいるそうだ。大吟醸とは、酒の素になるお米の精米具合が50%を超える贅沢なお酒を指す。削ることによって、米の芯の部分だけを使うことになるから綺麗に味になるということだ。(ちなみに、吟醸酒は60%。)しかし、ここ古伊万里酒造の大吟醸はなんと! 39%になるまで磨いているそうだ。


4代目蔵元 前田 くみ子さん



突然の取材にもかかわらず、快くご対応してくださった4代目の前田さん。優しく物腰柔らかいお人柄で、周囲の皆さんからも慕われているであろうことが伺えた。ちなみに前田さんも日本酒がお好きだということで、特に、米の柔らかい甘味があってすっきりしたものが好みだそうだ。日本酒も20年ほど前に比べると随分変わってきたと前田さんは語る。

その頃は吟醸酒という種類のものは存在しなかったそうで、俗にいう普通酒が一般的だったが、そのうち純米酒・吟醸酒ブームが到来し、現在では全国、世界にまで広がった。お米を磨く・洗う技術に加え、低温発酵させる技法などが格段に上がったことで、日本酒の品質も良くなったのではないかと教えてくれた。伝統の酒蔵を継承して7年目の前田さん。それまでは先代であるお父様の下で色々と修業をなさってきた。経営をしていく上で、やはり「自分で現場を知らなくては」と切磋されてきたそうだ。前田さんは、このような努力の結果、現在では世界6ヵ国で商品を販売するまでに古伊万里酒造を発展させた“敏腕社長”なのだ。


お店の様子と伊万里ん酒を紹介



古伊万里・前には、現在4種類の銘柄がある。

中にはとっても高級なお酒もあって、憧れの的。

古伊万里は多くのファンを持つ定番の味わい。

アルコールのない甘酒でも、古伊万里酒造のものは一味違う。

地域おこしのお酒「すみやま」など他にも銘酒がズラリと並ぶ。

歴史を感じる店内は落ち着いた様子で心地いい。

先代の時代に生まれた古伊万里・前。

昭和を感じさせる風合いの瓶とはこのデザイン。

伊万里焼で頂く古伊万里はひと際美味しいだろう。

古くから前田家に伝わる貝合わせも見ごたえがある。

MAKIはこのお猪口がたいそう気に入ったご様子。

大変美しい伊万里焼のお猪口。いったいどれほどの価値があるのか?

伊万里焼と古伊万里のカップ酒商品。一度に両方楽しめる。

店内で試飲ができるよ!


日本酒は、冷蔵管理することがとても重要だ。温度によって品質や味そのものが変わってしまうからだ。 

おや!? CMで見たような光景。香りを楽しむために、ワイングラスで飲むのはとても効果的なのだそうだ。 

一口飲んでMOMOKO、この表情。んん! キリっと旨い大吟醸! 最近では、日本酒を楽しむのは女性の方が圧倒的に多いそうだ。それにしても前(さき)はやはり、旨い!
名称

古伊万里酒造 有限会社

住所

伊万里市二里町中里甲3288-1

TEL

0955-23-2516

営業時間

9:00~17:00

定休日

日曜、祝

駐車場

10台

Instagram

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アクセス

佐世保三河内ICより車で約15分

松浦鉄道夫婦石駅より徒歩約10分