百獣の王である「ライオン」のようにトップになりたいという思いをもって、このお店をオープンしたそうだ。「おはし」で食べる鉄板焼きということから「お」だけを平仮名にしたという組み合わせで、この店名を名付けたオーナーシェフ・松本さん。優しい穏やかな語り口調でダンディーなオジサマだった。

その後、独立を目指し地元のステーキハウスで3年修業し独立した。その頃にはすでに独立を意識していて、自分が社長になったつもりで修業したそうだ。やはり、成功する人は準備からして心構えが違うもんだな。今では佐世保店との2店を経営しているが、「お客さんがいるからこそ30年続けて来れた。」と謙虚な姿勢を崩しはしない。ステーキを上手に焼くことは、とにかく数をこなすことだという。「美味しく食べてもらう為には、例えば、自分のミディアムとお客さんのミディアムは違うから、表情を見ながらお客さんの雰囲気や感じを掴まなければダメなわけですよ。つまり、このお客さんはこれくらいがいいかなと感覚で焼くから、感覚や感性を鍛えるしかない。10回出来なかったら100回して、ある程度やってできなきゃだめでしょ。従業員に対して、基本は教えるけど、あとは自分で失敗して覚えていくしかない。」ときっぱり。
今後の夢は佐賀市内に店舗を出したいそうだが、もう歳だし、後継ぎもいないからどうしようかなと悩んでるという。「さて、松本さんご自身もやはりお肉がお好きなのですか？」と尋ねたら、意外にも、カニとうなぎが好きなのだそうだ。洋食やステーキはあんまり食べないとあっさり言われて、思わず笑ってしまった。

実は当日無理を言って提供していただいたこのメニュー。地元の方の絶大な推薦を頂いたのです。シェフ曰く、「この料理は、ハンバーグのソースを作る過程で生まれた副産物的な一品です。コクをだす為に入れたお肉は軟らかくトロトロになって、凄く美味しいでしょ？」。はい、その通りです。めちゃくちゃ旨いです！ ソースの味を少し甘めにされているのは、お子様でも喜んで食べてもらえるようにとシェフの心遣いだったのですね。本当に嬉しい逸品でした。