次世代のリーダー

編集長ケントの対談コラム
佐賀県を各地でリードし活躍する気鋭の人々の活動の様子などをご紹介するサイト。


佐賀の未来予想図を描く場所


岩永清邦さん
合同会社葉隠 代表
ゲストハウスHAGAKURE
「現代社会は人と人との直接的コミュケーションが希薄になってきている。だから、この施設を立ち上げた。」代表は切り出した。とりわけ佐賀市には、外国人観光客を迎え入れる施設が少ないとも述べた。実際、佐賀市には熱気球大会などもあり多くの外国人が訪れて来ているが、外国客への観光案内施設の存在があまり知られていないのも残念な状況。しかし、佐賀市は国際空港でもあることから世界との玄関口であることは間違いない。岩永さんは、その状況を杞憂して何かできることはないかと考えた。もともとNPO団体・地球市民の会の職員であるから、外国との交流は、岩永さん自身頻繁に行ってきた経験を持つ。また、佐賀の発展に結びつく事業とは何かを考えた時、とにかく交流促進できる場所がないことには始まらないと考えた。そして、有志に語り掛け資金提供を呼び掛けた。なんというバイタリティーだろうか。(その様子はまるで幕末に活躍したあの人を思い起こさせる。)結果、198名の志士たちの力添えを得て、定食屋だったこの場所に、交流型宿泊施設を1,500万円の資金を投入し作り上げたのだ。

岩永さんは大学卒業後、特に国際貢献に興味があったわけではなかったが、自身のスキルアップの為、青年海外協力隊に志願。中国・河南省新郷市に派遣されて2年を過ごした。子供たちに野球を教えていたのだという。それは遊びの野球ではなく、プロ野球人を育てるためのカリキュラムだった。そうして国際交流貢献の道へ進んだきっかけから、佐賀に戻った時、NPO地球市民の会の職員となった。この団体は佐賀の地域貢献の為、空き家や休耕地を新たな事業として生き返らせる活動や、外国に学校を作る支援活動、災害時における補助活動などを行っている。草の根的にがんばってきた岩永さんにはいつしか人望が集まり、今回のプロジェクトに対しても多くの仲間から援助を受けることに繋がってきたわけだ。今後この場所を中心に、地元の皆さんと協力し合ってコミュニティーを形成していきたいと話してくれた。

葉隠れの精神

「葉隠・HAGAKURE」と名付けた理由は、現代社会の状況にあった。殺伐とした世の中、もう一度みんなで葉隠の精神に立ち戻ってはどうかという岩永さんからの提案である。葉隠の精神とは、武士道の代名詞のような第一節ばかりが目立っていて、とかく誤解されているという。実は、儒学的教育思想がそこでは最も重要な教え。親や兄弟、友達を大事にすることなどである。それはすなわち、人間同士のつながりを大事にしなさい、と言っている。つまり岩永さんは、この施設をそのための場所として皆さんに活用していただきたいと考え、HAGAKUREと名付けた。オモシロいことに、夜の9時から11時までは、佐賀の地酒を角打ちスタイルで楽しめる日本酒バーとして営業している。

店長・髙瀬さん
佐賀大学を卒業され、縁あって店長になった髙瀬さん。岩永代表にインスパイア―された1番弟子とも言えるかもしれない。爽やかなイケメンで、質問した事にも卒なく答える切れ者だが、人当たりは優しく好青年。みなさんも、是非一度かるーい気持ちで遊びに立ち酔って欲しい。ちなみに、緑の壁画は、佐賀出身の画家・ミヤザキケンスケさんの友情作品だそうだ。

■KENTO編集長の所感


今回も佐賀を元気にしたい!という気持ちを共有できる方に出会えて良かった。
私も元々、岩永さんと同じように佐賀に対して地元愛があったわけでなく、外に出て見て、後々佐賀に興味を持った一人だ。最近そんな人が増えてきている気がするのは私だけだろうか。

SAGARICHにも若い方々からよくこういうメッセージをもらう!『佐賀の良さを再認識できて良かった!今まで佐賀は何もないと思ってたけど、もっと誇らしく思っていいんだと感じた!』etc...
話は変わるが、私も学生時代バックパッカーとして旅をしていた時にゲストハウスをよく活用した者として、今回の岩永さんの試みをとても嬉しく思う。ゲストハウスはただ安いというだけでなく、岩永さんが目標とされていた地域のコミュニティという役割も果たしてくれる。私も海外でゲストハウスで異国から来た人と仲良くなり、お酒を一緒に飲んだり、一緒に旅に出たりしたものだ。佐賀は昨年のバルーンの世界大会があったように世界に開かれた県だと思う。もっと海外の人に来てもらうだけでなく、地元の人々と交流してもらい佐賀の人の良さを肌で感じてほしいと思う。
最後になるが、県外、国外だけでなく、地元の人にもお店に来てほしいということなので、ぜひ皆さん一緒に行きましょう!