生地の味わいにこだわり
自家養卵の製法を生かした
スポンジの美味しい店
14周年を迎えたケーキ屋さん
卵のパンチが効いたスウィーツと...?
昔ながらの住宅街の中に佇む一軒家。表札のようにさりげなく置かれた看板。丁寧に整えられた庭を進んだ先にある玄関を開けると、一輪挿しと感じのいい店員さんがちょこんと座って出迎えてくれる。靴を脱ぐと目に付いたのはショーケース。店名の通り、優しいたまご色のケーキたち。
さあ、どれにしようかと悩んでいると「ロールケーキください」と後ろから、お客さんが次々に入ってくる。
売り切れ次第終了というロールケーキ、チーズタルト、シュークリーム、シフォンケーキ、プリン、と選んだケーキをコーヒーとともに店内でいただく。
ロールケーキもシフォンケーキもふわっと柔らかく上品な甘さ。しかし口に含むと、そのスポンジがキメ細かくしっかりとした構造になっていることに驚く。飲み込んだ後の余韻がまた堪らない。繊細に泡出てられたメレンゲがこの口どけを支えているのだ。
透明のカップに入った生クリームが隣に添えられていた。スプーンで掬い、ケーキにたっぷりと塗る。ふわふわの生クリームを自分の好きなだけつけられる、なんという贅沢だろう。生クリームの味は濃厚なのだが、変に甘くなく淑やか。
みのりの優黄卵ロール レギュラーサイズ(15cm) 1,680円
ロールケーキ 1カット 350円/シフォンケーキ316円/チーズタルト320円
甘い匂いを堪能しているところに、ふわっと自然に入り込んできた山椒の香り。そう、親子丼が運ばれてきたのだ。だしをしっかりととっている親子丼。使っている卵は1人前につき3個。さらに卵1個分の卵黄をソースのように上から垂らしているため合計4個。山椒を横一文字にかけている。見た目も綺麗。そして卵黄の濃厚さとだしの旨みが、卵白の柔らかさに包まれ、口の中で溶け合う感触。それらは混ざり合って食欲をどんどん刺激する。まさに絶品。
特製親子丼1080円
「親子丼でこんなに感動したのは初めてです。」と思わず前のめって言った。「卵がとても良いからです。だから余計な味や香りをつけずに、ケーキも親子丼も生クリームもそのままの味をシンプルに生かすことが出来ます。」あくまで良い卵があってこそなのだ、という謙虚な姿勢を崩さないオーナー・パティシエ 麻生真司さん。33歳という若さにも関わらず芯が通った話し方に非常に好感がもてる。日本料理の修業を重ねて戻って来た素材と技術への研鑽、そして丁寧なこだわりが産み出した逸品たちの余韻に浸りながら、縁側でそれらの余韻を楽しんだ。
初めての方は、この入り口をしっかりとおぼえてね
清潔感溢れる感じの良い店員さん
ふわふわシフォンケーキにはお好きなだけ生クリームを塗って。
これはシュークリーム。エクレアではないのです。
オーナー・パティシエ
常務 麻生真司さん
高校を卒業後、専門学校入学。東京、福岡で日本料理人として働く。12年前に唐津へ戻り「たまご色のケーキ屋さん」に携わる。もともとは「みのり農場」という養鶏場から始まった。ゲージだけでなく放し飼いで鶏を飼育し、放し飼いと飼料にこだわり続け生まれたのが「優黄卵」。その良さをもっと知ってほしいと、14年前に麻生さんのお母様が料理を出したのがきっかけ。料理だけでなく、その「優黄卵」を最大限に生かしたロールケーキを提供するようになると、ついにお母様一人では手が回らなくなるほどの人気を博し、当時県外で働いていた麻生さんを呼び戻したそう。
現在は「みのり農場」、「たまご色のケーキ屋さん」の他に「キッチンみのり」も経営しており、そちらでは鶏めしなどの惣菜を取り扱っている。季節ごとのスウィーツも充実しており、11月初旬からは生のりんごを使ったタルトが発売予定。
麻生さんはなんと生け花を習われているそうで、その作品を拝見した。格式と歴史ある日本建築との調和、赤と緑の融合にさりげなく混ざる白い花。丁寧に生けられたその作品に麻生さんの感性と人間としての深みを感じた。
住所・連絡先 | 佐賀県唐津市浜玉町浜崎2269 電話 : 0955-56-6802 |
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営業時間 | 10:30~18:00 |
定休日 | 月曜、火曜 但、祝日は営業 |
駐車場 | 10台 |
アクセス | 唐津ICから唐津バイパス 福岡方面へ10分 JR虹ノ松原駅より徒歩10分 |
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