UA-80937312-1

次世代のリーダー

編集長・山口ケントの対談コラム

佐賀県を各地でリードし活躍する気鋭の人々の活動の様子などをご紹介するサイト。


山口芳水さん

佐賀県書道教育連盟師範/NHK美文字講座講師/山口芳水書道教室主宰


佐賀を拠点に日本中で活動している書道家。昨年、中国上海の伊勢丹で個展を開催した。 ai (akai) - Langage “Love”と名付けられた個展では、愛をテーマにした作品の展示とライブペイントを開催。 オリジナルファッションブランドも立ち上げ、今、新進気鋭の書家アーティストとして全国から注目されている。 

形のくずれた文字の美しさ
新しい書文字アートの創作

お笑いコンビではありません。このポーズは、芳水さんのサインで3本指は筆を持つことから形容されています。

■書道家は、心で文字を描く

女の子の丸文字すらも、自分の発想に取り込もうとする

ファッションという見地から「美」を創る者として共感する所が多い

■美しい文字のフォルム=美しい人間の姿

ご両親を書家に持つ芳水さんは、5歳より書道に入門。中学三年生までは、実はあまり書道が好きではなかった。自分が書道家である自覚が芽生えたのは高校生なってからだ。それはご自分が指導する立場になって、生徒さんと一緒に美しい文字を書くことに感動を覚えたのがきっかけだった。生徒さんが、できなかったことができるようになった喜びを共有し、ゆえに今でも指導することが楽しいと感じている。ご両親の助手から始まりこれまで19年の指導歴を継続中である。ちなみにこれまでの生徒さんの数は1000人を下らない。
 

■アーティストとしての活動

現代書道は日本のみならず広く海外にまで進出している。外国のオークションなどでは、書道家の書いた作品に800万円の落札価格が付くこともあるらしい。それは決してセオリー通りの形式にはまった書体ではなく、むしろ、絵画のような感覚で書き描かれた作品である場合もあるから驚きだ。つまり、単なる美しいだけの文字に価値が付くのではないことを意味している。くずれた文字の美しさにこそ絶妙なバランスや迫力が加わり、世界に一つしかない作品として評価されるのだ。そのような見地から芳水さんは、敢えて幼稚園児が描く文字、女学生が書く丸文字などからインスピレーションを学んだりした。基本から大きく離れる真逆の発想である。30年の基礎学習から会得した技術を、自らそぎ落とすことで魂の開放を目指したのだ。型にとらわれない自由な創作のためとは言え、並々ならぬ覚悟と努力であると思う。
 

■「美」を追求する二人

「美」に対する価値観が年々足早に変わりゆく状況の中で、二人の共通する思考を見つけた。それは、その感覚を享受する人によって「美」の価値観は大きく異なるだろうということだ。ある人はそれをすごく高評価し、ある人はそれを全く認めないという十人十色の美的感覚。ゆえに「美」を操るものの宿命として自分自身を信じて推し進めていくメンタル面での強さが必要とされる。しかも、書家とファッションコーディネーターとではその手法や考え方はおおよそ異なる。書家の場合、作品を創り結果を待つ。良い作品を創るためにきっと様々に試行錯誤し自身が納得するまでやり直す。そうまでしても、結果は見るものに委ねられ価値は最後まで分からない。ファッションコーディネーターはそうではない。基本的にサービス業だから、お客様の感覚を読み取りその空気感を受けつつ提案をしてく。その内容は流行にも左右されるから、トレンドに敏感でなければならない。よって普段から知識を得ていなければならない。またお客様と一緒に成長していくという特徴もある。さながらエンターティナーである。
さて、これらも芸術の一環だとするならばこの二人の日常は、いわゆる感覚(センス)がなければ成り立たないので、とてもシビアな環境下にあると想像でき、かつ驚くばかりだ。


 

■55055ブランド

話が進むにつれて少し驚きの事実を知った。芳水さんは、なんと自身のファッションブランドを持っていたのだ。それが55055。このブランドはパーカーやバックなどといったアイテムを持ち、女性からの支持も上々などだという。例えば、ジーンズを解体して作ったボストンバック、墨染めという技法を用いたシャツなどがある。書道という美的感覚が基礎となり、ファッションブランドへの展開を発展させたセルフプロデュース力にはまさに脱帽だ。そういえば今日のいでたちも、H&Mの上下というラフの中に、シューズはRick Owensでさりげないオシャレとこだわりを見せていた。

 

■山口編集長の所感

おもしろい人と出会った。まず、いただいた名刺も、和紙を抹茶染めされたものですごく斬新。お互いファッション好きですぐに意気投合した。初めて書道家の人とじっくりお話しをしたが、書道家の枠を超えた様々な活動、そして前向きな姿勢に刺激を受けた。これから何か一緒にできることをしていきたいと思う。
 

COMME des YAMAGUCHI
美文字講座

参加希望の際は、必ずご予約を。
「シロクロ書道教室」で検索。

第一回COMME des YAMAGUCHIが開催されましいた

オシャレなアトリエ

COMME des YAMAGUCHI受講生の作品

山口芳水さん(左)

住所

佐賀市神園1-5-5

電話

080-3980-0045

開催日

毎月 第4土曜日

時間

18:00~20:00

会場

美文字講座 会場シロクロ

メールアドレス

seasons@owa.bbiq.jp