2018.4月号
ナビゲーター/IZUMI & MOMOKO

日本庭園 慧洲園



慧洲園は「昭和の小堀遠州」と称された中根金作によって作庭された、池とその周辺にめぐらせた園路を散策できるタイプの庭、いわゆる池泉回遊式日本庭園だ。中世を思わせるダイナミックな石組みから流れる瀑布と茶畑が印象的に配され、武雄を象徴する美しい借景に見事に調和している。これも計算しつくされた技法なのだという。この調和こそ中根金作が作庭において最もこだわりを持ったところで、慧洲園の見どころの一つと言えるそうだ。四季折々の風情を感じながら散策をお楽しみ頂ける。 慧洲園は四季折々にいろんな表情を見せてくれる。春には色とりどりのツツジが庭園を飾る。春風に枝を揺らす名物の枝垂れ桜も春の楽しみの一つ。 夏には眩しい太陽と蝉しぐれを浴びながら、庭を散策して欲しい。岩をすべる水の音も心地よく聞こえてきそうだ。秋には赤や黄に色付くもみじが陽に照らされて輝くさまは、どこか郷愁を呼び起こす。お茶の木も白く可憐な花を咲かせ、この季節を飾ってくれる。そしてなんといっても冬。葉を落とした冬枯れの庭は、いわば素描。慧洲園の素晴らしさは、冬にこそ味わえるのかもしれない。

今回ガイドしてくれた学芸員の神谷さん。 日本庭園は「石こそ庭なり」と言われ石の美しさが最大の魅力なのだそうだ。比較される西洋の庭は「華こそ庭なり」。根本的に庭の楽しみ方が違うのだという。例を挙げると、この庭にある竜門獏という滝。いびつな形の岩を組み合わせ、岩だけを使って鯉の滝登りを表現しているのだという。素晴らしい説明をしてくれた神谷さんにガイドをしてもらうには予約が必要だが、無料で行ってくれる。

素晴らしい説明をしてくれた神谷さんにガイドをしてもらうには予約が必要だが、無料で行ってくれる。


圧倒される素晴らしい庭園



どこを取っても絵になる~と称賛するMAKI。

ダイナミズムに溢れる大きな岩の配置。そこになだれ落ちる水流が、自然の躍動感を演出。

ここにはホテルもあり、オンシーズンには観光客でいっぱいになる人気のスポットだ。

散策する小径も風情たっぷり。

元々茶畑だったこの庭には、いまもそのままに茶木の段々畑が美しい。

「御休み処 みふね茶屋」
お抹茶お点前体験も楽しもう



日本に生まれてよかったな~としみじみ感じ入るMOMOKOとIZUMI。「御休み処みふね茶屋」は、慧洲園内に佇む数寄屋造りの和風喫茶だ。自慢は松材を使用した店内の一枚板のカウンターと濡れ縁。縁側に座るとさっきまでとは違う角度からの日本庭園を眺めることができる。庭園散策に少し疲れた頃にくつろげる、癒しの空間だ。

ここは、普通の喫茶としてもご利用いただけるが、お抹茶お点前体験ができるのがおもしろい。初めての人でも、店員さんが優しく教えてくれる。わびさびの心とは、一体どんなものなのだろう。

お点前体験では、心構え・作法・道具の使い方を教えてくれ、なんだか心地良い緊張が。これがまた凛として良い感覚だ。

空気を含ませるように攪拌すると、鮮やかな緑と共に良い香りが立つ。

IZUMIは慣れない手つきながらも楽しんでいる。
 

お茶を楽しむ時、抹茶は一般的には苦いのでまずお茶菓子を頂くのが慣例。

分からないことは全て優しくレクチャーしてくれるので安心だ。

店内は和モダンでシックな造り。雰囲気がすごく素敵だ。

ここでワンポイント!喫茶メニューも結構豊富。庭園散策に疲れたら、是非ぜひお立ち寄りください!

陽光美術館



慧洲園と併設する陽光美術館。しっとりと大人の時間を楽しもう。

現在「横山大観展」が開催中!

美術館のテラスシートから、美しい庭園を眺めることができる。

ご案内をしてくださった陽光美術館の古川さん(左)と、上園さん(右)。深く感謝申し上げます。
名称

日本庭園 慧洲園

住所

武雄市武雄町武雄4075-3

TEL

0954-20-1187

営業時間

9:00~17:00

定休日

水曜(4~5月、10~11月は無休)

駐車場

10台以上、大型可

HP

☞ 慧洲園ホームページ

アクセス

武雄北方ICより車で約10分

JR武雄温泉駅より車で約5分

入園料

大人:600円

学生:500円(中学生以下無料)