2018.4月号
ナビゲーター/MAKI & IZUMI & MOMOKO
虎仙窯・三代目窯元の女将さん
快く取材に応じて下さった女将さんは川副民枝さん。現三代目窯元の奥さんである。実に詳しく丁寧に、伊万里鍋島焼や虎仙窯の進化・戦略について教えて下さった。そこで感じたことは、伝統工芸は、伝統を守るだけではなく時代に合わせて進歩させなくてはならない苦悩を常に持っているのだということ。ここ虎仙窯においても、時代に合わせた、未来を先読みした工芸品を作り出していることを教えていただいた。
今回のナビゲーターは、MAKI・MOMOKO・IZUMI。女性が思わず欲しくなりそうな、女性目線の商品に「可愛い~!」と大絶賛だった。
化粧水ボトル・花しずく
伊万里鍋島焼の伝統技術を受け継いで生まれた化粧水ボトル「花しずく」は、「県の補助事業で新しい物づくりに取り組んでみよう!」と、虎仙窯のグループで大変な苦心の末完成され、世に生み出された。というのも接合部分はプラスチック製のキャップで、それを陶器のボトルに合わせなくてはならない。焼き物は収縮してしまうため、当初、はめ合わせるサイズがなかなか計算通りにはいかなかった。しかし、試行錯誤の末完成した「花しずく」は、発売されるや否や、たちまち人気商品になった。女将さんは、「たくさんの女性に愛用していただきたいが、1点ずつ手作りだから、通販などでは数が追い付かないんです。手書きでやっていて、プリントじゃないんですよね。」と少し困ったような微笑みを見せた。お値段は3千円~1万円と、手間がかかっている分ちょっとお高めに感じるかもしれないが、一生モノと考えれば、このようなオシャレ小道具を傍で愛でるのも有りかも。
「花しずく」は形状が4種類あり、女性の手に持ちやすい形と大きさに配慮して作られている。手作りと手描きにこだわった化粧水ボトルで、単に化粧水を入れて使うのではなく、お部屋の消臭剤を入れてインテリアのアクセントに、またお花への水吹きなどと、様々なシーンで愛用できる。色鍋島の絵付けが施され、とても優雅で高級感に溢れている。お部屋に何気なく置かれているだけで、オシャレ感はぐっと上がりそう。
伊万里鍋島焼
鍋島焼は 色鍋島・鍋島青磁・鍋島染付が主な特徴となっている。
”主に薄い染付輪郭線の内側に赤・淡緑・淡黄の三色だけで上絵付した 色鍋島”。
- 色鍋島は、鍋島藩の御殿様が大名家や将軍家に贈り物としてたほど、その美しさには定評がある。庶民の目に触れるようになったのは廃藩後。それまでは隠れて大川内山で作られていた。現代では、本格的な鍋島焼が非常に希少価値が高く美術館でしかお目にかかれない代物だそうだ。
”美しい青磁釉を器の全体にかけて焼きあげた 鍋島青磁”。
- 鍋島青磁と呼ばれているほど、その作風は独特だ。日本で産業として成り立っている天草の原石を使って青磁を作り出しているのは伊万里だけ。ちなみに、白磁と青磁の違いは釉薬の違いにあるそうだ。
”色絵は使わずに染付けだけで文様を描きまとめた 鍋島染付”。
工房内の様子
伝統の色合いを出すため長い時間をかけて練り合わせを繰り返す。
熟練の職人がその出来をじっくりと確認しながら作り上げていく。
窯入れされる前の作品がズラリと並ぶ。
ギャラリーの様子
美しい鍋島焼が陳列されたギャラリー。
可憐で可愛い器に目を奪われる。
360度焼き物に囲まれて優雅な気分に浸れる。
ワインカップやティーカップ、こんなの家で使いたいね。
MOMOKOも何かいいもの見つけたみたい♪
女将さんから虎仙窯について色々と教えてもらい、とても勉強になりました。
名称 | 伊万里鍋島焼窯元 虎仙窯 |
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住所 | 伊万里市南波多町府招1555-17 |
TEL | |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
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駐車場 | 約30台 |
アクセス | 武雄北方ICより車で約35分 JR上伊万里駅より車で約10分 |