2017.9月号
ナビゲーター/MIKI & NAMIKI

素材にこだわった食べごろのケーキ



オープンして13年目を迎えた「ホリ」。中学校横という立地もあり、子供から大人まで幅広い世代のファンがいる洋菓子店だ。店のケーキは“より新鮮な素材でより作りたてを”をモットーに、厳選された素材はできるだけ地元の良いものを使い、添加物や保存料を極力使わずに作っている。賞味期限は焼き菓子などでも短いが、長期保存を可能にする事よりも、より安心・安全な食べごろのものを提供することを優先している。

店の看板商品は太巻・細巻と展開している「ホリロール」。しっとり柔らかな生地に純生クリームと練乳を巻いたシンプルなロールケーキだ。卵黄を多く使って卵の風味を生かした生地と、練乳で柔らかな甘みを出したクリームの相性は抜群で、早い時には日中に売り切れる人気商品である。店長曰く、冷蔵庫に入れる前の状態の方がクリームの状態が良く美味しいそうなので、出来立てが並ぶ開店直後に買うのがおすすめ。商品は他にもカエルの見た目がキュートな「かえるさん」や中にあんこが入った「和くれあ」、米粉を使ったクッキー生地を最中で包んだ「唐津っ子モナカサブレ」、和菓子など、和洋折衷のラインナップ。これからの時期には芋・栗・カボチャを使った季節商品も登場する。


お店の内装が凄く可愛い。まるでどこかのテーマパークのショップのようだ。奥様のアイディアとスタッフさんたち全員で考えて作ってきたそうだ。埋金オーナーは、「自分は運が良かったと思っている。これまでに出会った人たちが凄く自分を応援してくれたから、そのおかげで今があるのだと思っている。」と語ってくれた。

現在、シェフは4名、スタッフは約10名で運営しておられる。そんな中でヒット商品となったのが「塩ブッセ」。この開発にはかなりのご苦労があったそうだ。鳥栖生まれの埋金オーナーは、地元の食材を使った商品の開発を長く考えてきた。生地となる米は鳥栖産、塩は唐津産、卵は伊万里産。特に米の選定は大変だったそうだ。米の品種が違うだけで出来上がりが全く違ったからだ。出来上がりまでには2か月の時間を要し、オーナー自ら小学校などに出向き食育のレクチャーなどを行いながら、この塩ブッセを宣伝して回ったという。それくらいの力作だったのだ。実際食べてみたら、さわやかな甘さと軽い食感が、ティータイムのお供にぴったりだ。ちなみにイチゴ味もある。そして最後に述べたいのは、お値段がとってもやさしい、ということ。これも、埋金オーナーのお人柄ゆえのことなのかな、と思ってしまった。


おすすめ商品の紹介



ホリロール(ミルク)太巻  972円

チーズタルト 270円

かえるさん 216円

木いちごのムース 432円

和くれあ 270円  ※土日限定

和菓子 378円

パティスリー ホリ
代表 堀 星治さん


堀さんは現在48歳。実家は和菓子店、父は83歳の現役和菓子職人だ。子供の頃は菓子作りに全く興味がなく、学生時代は別の道を歩もうとしたが、20歳頃から興味を持ち始め、福岡の「16区」という店で基礎を学んだ。店での修業はとても厳しかったが、この時の経験が現在の菓子作りに大きく影響しているという。しかし働き始めて3年半経った頃、菓子職人としての自信を失った堀さんは店を辞めてしまう。


その後は一旦菓子業界を離れ、イタリアンレストランなどでアルバイトをしていたが、「16区」時代の先輩の紹介により、神戸の洋菓子店で再び菓子作りを学んだ。それから半年後、父の呼びかけにより実家に戻った堀さん。父が和菓子、堀さんが洋菓子を専門に作り、母が店頭で売るという形で店を営んでいた。店は地域に密着しており、客とも知り合いのように関係が深かった。

▲「ホリ」の看板息子、次男の悠太くん。

親子2、3世代にわたり店に通う客もおり、そのなかには現在も「ホリ」に買いに来てくれている人もいる。堀さんは実家について、「ああいう商売をできたらいいな」と今も参考にしているそうだ。実家で働いてから7年後、堀さんは独立して現在の店をオープンさせた。自分の店を持って一番大変なのは、経営だそう。人を扱うことも大変で、菓子作りよりも難しいという。一方で、たくさんの客が来て、閉店時にショーケースの中身がなくなった時に達成感を感じるという。「客からの『美味しかった』という声や、リピーターを見ると嬉しい」とにこやかに話してくれた。母が亡くなってからは父も自分の店をたたみ、「ホリ」で和菓子を売っている。「ホリ」の洋菓子に和菓子の要素を取り入れているのは、実家が和菓子店だということを意識してのことだそうで、「和くれあ」などのお菓子に使っているあんこなどは父が作ったものだそうだ。父について「83歳でもまだ現役で、いまだに新商品やヒット商品を出していてすごいと思う」と話す堀さん。親子の絆でこれからも美味しいお菓子を作り続けてほしい。


お店の様子



唐津第五中学校の横、お洒落な外観とオレンジの看板が目印のお店。

唐津くんちの山車をイメージした「唐津っ子モナカサブレ」(170円)。

七山の卵をたっぷりと使った「七山玉子のマドレーヌ」(180円)。

和洋折衷で見た目も可愛い「和くれあ」は、NAMIKIのお気に入り♪

フルーツをまるごと使ったケーキもアリ! ※夏場以外は要予約

MIKIおすすめの「ホリロール」は、ぜひ出来立てを味わってほしい!
名称

パティスリー ホリ

住所

唐津市和多田用尺1-2

TEL

0955-75-0604

営業時間

10:00~19:00 (日曜のみ18:00閉店)

定休日

水曜、第二・第四火曜日

駐車場

5台

HP

パティスリーホリ ホームページ

アクセス

JR和多田駅から徒歩約5分

備考

イートインスペースなし