History of 旅館 大村屋
1830年(天保元年)に創業したこちらの旅館、本来は長崎・大村藩の参勤交代のお宿として使われてきた歴史を持つが、大正時代、大火によってほとんどすべての資料などが焼失してしまった。しかし、再建する際にこの跡地から年号が書かれた石碑が見つかったそうだ。北川社長は15代目の跡継ぎでいらっしゃる。なんと25歳で跡を継ぎ、現在33歳。音楽や企画を立てることが好きな北川さんは、若い感性でこの旅館を基軸に嬉野の発展にも大いに辣腕を発揮している最中だ。お友達のご紹介で出会った若女将さんと二人で、センス良い旅館作りに果敢に挑戦しているが、そのオシャレな感覚には目を見張るものがある。全容を一挙にご案内!
玄関~フロント
旅館名が彫られた大木の間を抜けて玄関戸を開けると、畳敷きの間口に立派な掛け軸。なにやら重厚な面持ちで靴を脱いでフロントへ向かうが、お茶の爽やかな香りが鼻孔をくすぐった。さすが、お茶処らしいと感じ、嬉しく思う。なるほど、フロントテーブルではお茶を香炉で炊いてあったのだ。
お茶の香りで出迎えてくれるフロント
柔らかな照明が心地よく包み込んでくれるカウンター。この小ぢんまりとした感じがなんともリラックスできる。
嬉野に来たことを実感できるよう、お茶の香りのお出迎えとは憎い演出だ。
代表取締役社長 北川 健太さん
数年前から少しずつリニューアルをしていて、今年の8月にライブラリスペースなどを改築。その心は、ズバリ「湯上りの楽しみ方」だそうだ。その楽しみ方とは、音楽と本で過ごす自分満足感の向上だ。大浴場のスペースには「湯上り文庫」を設置した。プライベート風呂のスペースには、音質の良いAV機器による「音楽ラウンジ」を設けている。いずれにしてもお客様が好まれる快適な空間で、嬉野茶や地酒などをお供に湯上りを楽しんでいただけること。
普通の生活ではなかなかできないくつろぎの空間と時間の中で、非日常を満喫していただくこと。それこそを「大村屋らしさ」として打ち出している。北川社長は熱海の旅館や東京の有名ホテルなどでの修業を経て、25歳の時に嬉野に戻り社長に就任した。もともと常連さんの多い旅館だが、若い人がもっと気軽に楽しめるよう、自分で企画を立てて音楽イベントなども開催している。シティーホテルのように様々な人々の交流の場として楽しんでもらいたいと思っているのだ。賑わいの創出、である。そうした試みから、外国人観光客にもインスタグラムなどを通じて興味を持ってもらえるようにもなってきた。北川社長の目標は、ここにしかない空間づくり。まだまだ完成されたものではないそうで、古き良き雰囲気も残しつつ、ユニバーサル化に向けて今後も色々とサービスを打ち出していきたいと教えてくれた。
大浴場&湯上り文庫
宿泊のお客様は利用無料。朝6時から夜中12時まで。
広々のんびり大浴場で足を延ばそう!
湯上りは時間を忘れて、文庫スペースで自分だけの贅沢な時間を満喫できる。
嬉野のまちのひと50人が選んだ200冊を超える本がズラリと並ぶ。小説・漫画・絵本・専門書などバラエティー豊かで楽しい。あっという間に時が過ぎるが、充実した心の満足感が得られることだろう。
この空間の雰囲気を作るために、ソファーやカウンターなどは全て特注。
水と空気の振動で音が鳴る不思議なオブジェ。優しい音を奏でてくれる。
外来入浴できます!
ご利用のお客様、湯上り文庫は無料。
利用料金
- 大人1,000円
- 子供500円(※小児無料)
利用時間
- 15:00~21:00
貸切風呂&音楽ラウンジ
宿泊のお客様は50分間、宿泊中1回のみ利用無料。朝6時から夜中12時まで。
4種類の貸切風呂がある。ここは薫風の湯。
火照った体を冷やしてくれる嬉野紅茶の無料サービスも嬉しい。そのまま音楽ラウンジで素敵な音楽と共に、至高の湯上りタイムを満喫しよう。
JBLのものすごく高そうなスピーカーやレコードオーディオに、数えきれないジャズやクラシックの音源がなんとも魅力的で、いい雰囲気だ。JAZZを聴きながら優越の時間を過ごせるプライベートラウンジへようこそ。
高級なレストランのようなラウンジでは嬉野茶の試飲サービスもある。
大人気のプリンは抹茶・紅茶・釜炒り茶の3種で各270円。湯上りにどうぞ。
外来入浴できます!ご予約が必要です。
利用料金(50分)
- 大人2人以上一人1,500円
- 大人1人利用の場合3,000円
- 子供500円(※小児無料)
利用時間
- 11:00~23:00(要予約)
お楽しみの御食事を紹介
旅の楽しみと言えば美味しいお食事。大村屋ならではのメニュー例をご紹介。※季節やコースで献立内容は変わります。
お部屋でいただく御夕食
「秋の会席料理」
おしながき
前菜 白子豆腐 甘鯛菊花寿司 菱の実 鶏松風 衣かつぎ
碗物 むかご石垣菊花仕立て 占地 青柚子
造里 鯛 平す 戻りかつを 水烏賊 生雲丹
焼物 秋鮭丹波焼き あしらい一式
蓋物 有田鶏治部煮とかぶの焚き合わせ
台物 特選和牛ロースステーキ 野菜色々
箸休 やがら昆布〆
揚物 白石蓮根はさみ揚げ 無果花天婦羅
食事 鯛と松茸の焚き込み 香物
留椀 白味噌仕立て
甘味 大村屋プリン
温泉湯豆腐を味わう朝食
料亭のようなお食事処。ここでは旅館伝来の焼き物も見どころの一つ。
嬉野名物の温泉湯豆腐が付いた朝食。
体によさそうな食材で、さっぱりと満足な朝を迎える。温泉湯豆腐には嬉野産大豆を使用。水は嬉野の温泉水。アルカリ性の温泉水により温めると豆腐が溶けだす。お湯が白くなると食べごろだ。煮物には、ちょっと珍しい赤唐辛子の鮮やかなコンニャクが入っている。辛みはなく美味しく頂ける。
くつろぎのお部屋紹介
※料金は季節や人数で異なります。詳しくは大村屋ホームページからご確認ください。
その1 露天風呂付き和洋室「菊」
二人で入ってもゆったりのスペース。開閉可能なルーフ付きで天候に関係なく入れる。嬉野川を眺めながらプライベートな時間を楽しもう。
くつろぎスペースでレコードを聴きながらゆったりと過ごせる。
その2 新と古の両方が味わえる「百合」
昔ながらの旅館の雰囲気が漂う和室スペース。広々とした部屋なので家族数人でもゆったりと過ごせる。畳の上に布団を敷いて寝ることも可能だ。半露天風呂付き。
窓際のベッドは広々ダブル。朝の爽快感を与えてくれそう。
窓からの眺めは緑がたっぷり。目の前に流れる嬉野川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、自然の演出になんとも感じ入る。
その3 ポップで楽しい「芙蓉」
子供も遊べるゆったりマットは、うたた寝にも気持ち良さそうだ。壁には嬉野茶の漆喰を使用。
ベッドルームもハーフセパレートで、落ち着いた空間が熟睡を誘う。
お風呂は嬉野川を臨む半露天風呂。アメニティーが充実しているのも嬉しい。
名称 | 嬉野温泉 旅館 大村屋 |
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住所 | 嬉野市嬉野町大字下宿乙848 |
TEL | 受付時間 8:00~22:00 |
駐車場 | 約30台 |
IN/OUT | チェックイン 15:00~ チェックアウト ~10:00 ※レイトアウトあり |
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HP | |
アクセス | 嬉野ICより車で約10分 |