鍋島緞通吉島家
緞通ミュージアムについて



平成18年のオープンからおよそ10年になるこちら。日本最古の絨毯として江戸の元禄年間より340年以上の歴史が続く鍋島緞通の工房で、これまでにも度々、全国版のドキュメンタリー番組などでも取り上げられてきた。  

江戸時代前中期、有明海近くに居を構えた古賀清右衛門が織ったことが始まりと言われている。その当時、佐賀藩主鍋島家は一部の焼物や織物などを禁制品として、一所に集めて工芸場とし作品作りは行われていた。鍋島緞通という名称で今に至るが、その技術は遥か西方、シルクロードより中国を経由して伝来、技術を習得していたとされている。
その後、鍋島緞通の製作は戦後を経て、いくつか残った織元は看板を降ろし、残るは吉島家だけとなった。

この製作手法には、 340年以上続く伝来の「手織」と、昭和 40年代より始まった手刺し式の「新鍋島」の 2通りがあり、こちらのミュージアムではそんな方法で織られた鍋島緞通が常時2階ショールームに飾ってあり販売されている。素材は100%木綿で、その柔らかな風合いに驚かされる。1階のミュージアムには100年以上前、歴史的価値の高い古緞通が展示されており無料で観覧できる。こちらの工房は総勢 15名ほどのスタッフさんたちで営まれていて、佐賀古来の伝統工芸を未来へと紡いでいる。県内でももしかしたらまだご存じない方もいらっしゃるかもしれないが、一度は足を運んでほしい佐賀の誇るべき財産であることは間違いない。

また、建物そのものも非常に秀逸でデザイン性が高く、かつて、佐賀市より都市景観賞を受賞したことがあるのもおもしろいエピソードと言える。

鍋島緞通の特徴


およそ三百年前、江戸元禄時代に、肥前国・佐賀郡扇町の古賀清右衛門が中国人から緞通の技術を習い、「扇町紋氈」と名づけたのが、日本で最も古い絨毯、鍋島緞通である。当時の佐賀藩主鍋島公は、この緞通の精緻で優美な趣を愛し藩内での生産を奨励し、扶持米をあたえて御用品とた。さらに一般への販売を禁じ、佐賀藩から幕府や親藩大名への贈り物として用いた。明治維新以降その禁はとかれ、吉島家が技術を受け継ぎ、研究改善を重ね、今日の鍋島緞通の基礎を築いた。戦時中も技術保存のための製作が認められ、伝統の技を絶やすことなく守り継ぐことがでた。鍋島緞通は、昔ながらの堅型織機を使い、経糸、緯糸、織込糸ともに上質の木綿糸を用いており、高温多湿な日本の気候にふさわしい敷物。一目一目手堅く織りこんでいるため、時を経て使い込むほどに味わいを増す、手作りの工芸品なのである。

代表的な図柄は、大輪の牡丹の花が咲いた様を、蟹がはさみを振り上げた姿にみたてて名付けられた「蟹牡丹」。色合いは、藍、茶、緑の濃淡に、紅、黄土色など鮮やかな色を組み合わせた色使いが好まれている。

古来から畳敷きの居間に、あるいはくつろいだ茶会の席に、また祝い事の折りには、大広間に一畳物を十枚・二十枚と敷きつめて使われてきたとされている。

作風と作品作りについて


営業をご担当の山副 里さんにお話を伺った。

現代では非常に価値ある伝統工芸品として、興味を持った一般の人や茶道などをたしなまれている方などに購入されているとのこと。

価格は、畳一帖ほどの大きさの「手織」作品ならば、 120万円くらい。新鍋島ならば、その半分くらいの値段がついているそうだ。

基本的には畳一帖分の大きさなら一人の職人さんで、それ以上の大きさとなると複数人で織っていく。

その工法たるや、糸入れて叩く・切る作業を延々と繰り返していく。

地道で、しかし、熟練の技を必要とする非常に大変な工程である。完成までの時間としては、畳一帖分でおよそ 1か月以上は裕に必要とされているから決して簡単ではない。
中には古緞通の復元もあるし、新柄でデザインするものもある。基本的な緞通のデザインの特徴は外側に縁取りがありシンメトリー(繰り返し柄)で、職人はいくつかの図面を上下左右しながら製作していく。

かつては有明海の干拓事業での塩害対策として良質な木綿を栽培しており、その綿を使って緞通を作っていたと言われている。

作風としては、玄関サイズや座布団などといったサイズの小さいものある。その耐久期間は、なんと手織りだと 100年以上とも言われているから、家宝として、孫・ひ孫の代まで使えるのが強みとも言える。また手織りであるため、シミや汚れ、痛みやほつれは工房で修繕をすることが可能だ。

価格の参考としては、「手織」玄関サイズで 4060万円ほど、座布団サイズ 10万円ほどだそうだ。興味を持つ購入希望者には電話や来店して予算やサイズの相談が可能ということ。新年の縁起物として懐具合に余裕のある読者にはぜひお勧めする。

館内1階
歴史資料展示コーナー


 


歴史を思わせる古緞通の中でも色彩やデザインの素晴らしいものがズラリと並ぶ。

伝来の説明などのパネル展示でより分かりやすく興味を持てる。

実際の古緞通を間近に見るといにしえの技法に感動してしまう。

木綿の原料の綿を眺めるHITOMIとMOMOKO。

館内2階
展示即売フロアー


 


一枚100万円を超える作品に圧倒されてしまう

色彩の美しさに惚れ惚れと見入ってしまうモノばかり

敷かれている緞通の感触に心地良さを感じる

その技法の説明を聞けば聞くほど欲しくなってしまうHITOMIとMOMOKOであった 
名称

吉島家緞通ミュージアム

住所

佐賀市赤松町1-28

TEL

0952-24‐0778

営業時間

10:00~17:00

定休日

不定休

駐車場

6台

HP

http://www.nabeshimadantsu.jp/

アクセス

佐賀大和ICより車で約20分

JR佐賀駅より徒歩約15分