2018.1月号
ナビゲーター/SAORI & MOMOKO

口の中でとろける
最高級のローストビーフ


'82年の創業以来、佐賀の地で35年続く小料理店「くらおか亭」。20年間船上コックとして腕を磨いた経験を持つご主人の料理を求めて、これまでに多くの著名人も訪れている。店に来るほとんどの客の目当ては、看板メニューのローストビーフ。最上級の肉質を誇るA5等級の佐賀牛を使った至高の逸品で、口の中でとろけてしまうほどの柔らかさと旨さは、一度食べたら忘れられない。他にも同じ佐賀牛を使ったしゃぶしゃぶやすき焼き、季節ごとに最良の産地を選び、その日仕入れた新鮮な魚で造る刺盛やくじら・鰻・ふぐ料理など様々な料理が味わえる。席はカウンター・座敷・テーブルがあり、1階・2階ともに40名収容可能なので、パーティーや宴会での利用もおすすめだ。


おすすめメニュー ※価格は全て税抜


ローストビーフ 1枚1,000円


店の自慢は何といってもローストビーフ。店では地元佐賀牛(A5等級)のロース肉のみを使用している。肉質の中でも最高級を誇るその肉は柔らかく、キメの細かい見事なサシが入り、鮮やかなピンク色。その見た目と旨みを損なわないよう細心の注意を払って焼き上げたローストビーフは、一見生肉にも見えるがきちんと火が通っている。表面をフライパンでサッと焼いた後、低温のオーブンで3時間かけてじっくりと焼き上げているので、肉に残っているのは良質な脂のみ。この脂が溶け出さないよう焼き上げ後はすぐに冷凍庫へ移し、そのまま薄くカットして提供している。このローストビーフを口に入れた瞬間の冷たさと口解けは、まるでアイスクリームのよう。口の中にじわっと広がる脂の旨みに、思わず笑みがこぼれる。

肉には柚子胡椒の効いた特製酢味噌だれがかかっている。箸でも簡単に切れるほどサシが多くて柔らかく、野菜を巻いて食べると口の中で肉が溶けて野菜だけが残る。

4,000円からあるコースメニューは全てローストビーフ付き。6,000円以上のコースに付いてくる牛しゃぶやすき焼きにもローストビーフと同じ肉が使われている。また、このローストビーフを贅沢に使ったサンドイッチ「ローストサンド」(1,600円)も、ここでしか食べられない逸品だ。

くらおか亭
倉岡 正夫さん・久美さんご夫妻


オーナーシェフである正夫さんは、'62年、19歳で大阪商船に入社し、外国航路のコックとしてニューヨーク航路・豪州航路・ペルシャ湾航路・南米航路などに乗船。そして'71年に三井客船へ移籍し、にっぽん丸・ふじ丸・新さくら丸などに乗船した。その後'82年に船員を卒業し、くらおか亭を創業。船上での経験を活かしながら、こだわりの料理で人々の舌を愉しませている。
一方、妻の久美さんは元々電機メーカーで働くキャリアウーマン。結婚を期に退職し、現在は商品販売をしていた経験を活かしながら、接客を中心に店を盛り上げている。「一度会ったお客様はほとんど覚えています」と話す久美さん。接客業はまさに天職のようだ。
ご夫妻は結婚後半年で店をオープンさせた。はじめは20人ほどでいっぱいになるような小さな店だったそうだが、お二人の努力の結果ローストビーフの人気に火が付き、8年半ほど前に現在の場所へ移転。大人数での利用もできるようになった。


現在はご夫婦に加え学生アルバイトを雇っているが、学生たちにとってお二人は親のような存在だという。言動・身だしなみ・掃除の仕方まで、礼儀作法は厳しく教えているそうだが、そこには“社会へ出た時にどこへ行っても恥ずかしくないように”という親心が隠されていた。さらに、毎日刺身が付くなど豪華なまかないもあり、厳しくてもほとんどの学生が卒業まで働き続けるという。卒業後、社会人になって家族連れで来店する人が多いことからも、お二人の人柄が伺い知れるだろう。

お店の様子



駅から徒歩約5分。ローストビーフや刺身の看板が目印。

店の入り口には趣深い書も飾ってある。

店のローストビーフを求めて多くの有名人が訪れている。

こちらはゆったりと落ち着く畳の部屋。
名称

くらおか亭

住所

佐賀市駅前中央1-2-3

TEL

0952-22-2087

営業時間

17:30~22:30

定休日

日曜、祝日

席数

1階 カウンター10席、座敷10席、テーブル22席

※2階席あり(最大40名)

※1階・2階合計80名まで収容可能

HP

くらおか亭 ホームページ

駐車場

2台

アクセス

JR佐賀駅より徒歩約5分