2010年に創業なさった若いご夫婦で営んでおられる唐津の人気ベーカリー・ルヴァン。そのオーナーである平尾さんはパンを作るのが好きだった。その思いから大学をご卒業後、関東・福岡で7～8年の修業をなさった。だが実際その道に足を踏み入れてみると、パン屋さんは朝は早いし思いのほか重労働だったそうで、「やめたいな」と思ったこともあったそう。しかし、結果的には作る楽しい気持ちの方が大きく勝ったということ。

パン作りにおいて「おもしろい」と思う部分、それは生地の発酵が毎日違うことだそうだ。パン生地の発酵がうまくいったときは焼きあがった時も良い状態。それを、常に100点に保つことはかな至難の業。なぜなら、同じように生地を練り合わせても、その時の湿度や温度などが生地に微妙に影響を与える。気温が１度違うだけで全く異なるほど繊細なのだ。だから、その変化する幅ができるだけ少なくなるように、いつも及第点が取れるように毎日努力しているのだそうだ。

お店で一番人気は食パン、次にフランスパン。

平尾さんの生活は、朝は４時30分起床。その日のパンはその日の朝仕込むものがほとんど　で40種類程度を作っている。

茨城ご出身の奥様とは平尾さんが修行時代に出会い、ご結婚なさった。奥様も「まさか唐津に来るとは！？」と当初はご自分でも驚かれたそうだ。しかし、「唐津は良い所、お客様も良い人ばかり。」と嬉しいお言葉。また、恵さんは旦那さんの優しい所が好きだと教えてくれた。ご夫婦でパン屋さんをやっていて良かった点は、お互いに言葉に出さなくても分かり合えること。作業工程において次にやることなどの意思の疎通ができること。まさにこれを以心伝心というのだろう。とは言え、夫婦喧嘩もままあるそう。でも「ずっと一緒にいるから何かと心に積もる部分もあるけど、それによって改善できるところがある。」と前向きなお二人は、毎日気兼ねなく買いに来てくれるような地元の人に愛されるパン屋さんを目指してご夫婦でがんばっておられる。
　

店内には、パンの焼き上がり予定を案内するボードもあって、常連さん達はその時間にほぼ正確にご来店されていた。なので、人気商品は見る見るうちに売れていく。地元に定着したファンを持つ人気店なのだ。

湯種食パン　一斤250円／一本750円

バゲット（左）バタール（右）230円