編集長KENTOの対談コラム


次世代のリーダー


北原 香菜子さん
KANAKO KITAHARA

幕末維新周年に相応しい佐賀の至宝
日本でも希少な 薩摩琵琶演奏家

プロフィール

※ご本人様のご紹介文より引用



【活動歴】
2001年、早稲田大学第1文学部入学時に薩摩琵琶と出会う。
2004年、本格的に薩摩琵琶・鶴田流を田中之雄氏に師事。
2006年、「くまもと全国邦楽コンクール」全部門総合第1位・文部科学大臣奨励賞を受賞。
2007年、田中之雄氏とイタリアのボローニャ ファエンツァ ラヴェンナの3都市でカルロ・フォルリヴェジ作曲「沈黙の月~琵琶の為の新曲~」を世界初演。
2012年、平泉・中尊寺にて創作曲「琵琶経(びわきょう)~3.11後の供養曲~」奉納演奏。
2015年、CD「吉野宮ものがたり」(宮崎県諸塚村)リリース。
【出演歴】
NHK「芸能花舞台」、NHKFM「邦楽のひととき」、「邦楽ジョッキー」、「ラジオ深夜便~明日へのことば~」他出演。NHK邦楽オーディション合格。

2016年、京都知恩院三門コンサートの様子。

小学校アウトリーチの様子。

現在、稽古場「かなこ堂」(佐賀市大和町)での後進育成とともに、古典曲から創作曲まで、国内外で演奏活動を続けている。佐賀市生まれ。


活動歴などについて



北原さんは今はやりの「せごどん」こと「西郷隆盛」という名前の古典曲で、全国邦楽コンクールにおいて優勝した本格派である。また地元では津軽三味線と筝、薩摩琵琶の構成で邦楽3人娘というユニットを結成。ミシュラン一つ星の料亭・楊柳亭さんなどにてリサイタルを開催したりしている。

佐賀城下ひな祭り・街中コンサートの様子。

3人娘コンサートin楊柳亭

子供の頃は、英語と空手の道場に通っていたことから、将来は国と国を繋ぐ外交をするような人になりたいと思っていたそう。つまり、凄くアグレッシヴで魅力的な女性であることに間違いはない。
そんな北原さん、早稲田大学入学をきっかけに何でも興味を持って挑んでやろうと邦楽の世界を初めて覗き見た。それは大学の邦楽サークルの演奏会。その時の演奏家さんから誘われ、歴史ある早稲田大学においても初となる日本で唯一の琵琶サークル「琵沙門」を2001年に立ち上げたのだ。なんと情熱的な行動力であろうか。ちなみに今もそのサークルは存続しているとのことだ。同時に学生時代には、渋谷のライブハウスでケーナやジャンベにサックスなどに琵琶を加えたバンドのライヴ活動なども行っていたという、実に革新的な発想の持ち主。そんな北原さんが入門した薩摩琵琶の流派は鶴田流。通常、薩摩琵琶正派は4弦なのに対し鶴田流は5弦。これはクラシックオーケストラともコラボできるように音域の幅を広げるために、鶴田流の始祖が楽器にアレンジを加えて作られた、全く新しい試みである。古典楽器を新しい邦楽器として生まれ変わらせた、といっても過言ではないくらい革新的なことだ。そのこともあって、鶴田流の演奏家さんたちは各方面にて重宝がられている。ちなみに北原さんの師匠は「陰陽師」や「どろろ」など様々なドラマや映画音楽でも音付けをして活躍しているそうだ。
さて、北原さんの演奏スタイルは基本は弾き語りスタイル。その迫力のある、かつ繊細な音色を聞かせて頂いたが、楽器の音色と調和する北原さんの歌声、凛として演奏する姿にただただ感動するばかりであった。この歴史深い佐賀にあって、絶対にこれを活かさない手はないと思った。

ご覧の楽器は樹齢100年、小笠原諸島の御蔵島の桑の木から造られたものだ。北原さんは精霊の宿る神木と信じお神酒を捧げ奉っている。薩摩琵琶は、本体は3キロ弱もあるから結構な重量で、かつては戦に向かう薩摩武士が奏でていたそうだ。だから、例えば筑前琵琶などは女性の演奏家が多いのに対し、薩摩琵琶はその音色のや奏法の豪快さから男性の奏者が多いとされている。ちなみに大学生の時初めて購入されたそうだが、安くても60万円、高価なものだと300万円もの値が付くという。

柘植と桑の木は相性がいいそうで、撥は柘植の木で拵えられている。

明るく楽しいお人柄



さて、様々なお話を伺ったが、KENTO編集長も薩摩琵琶の演奏にトライさせてもらった。しかし、やはりなかなかに難しい。楽器や撥の持ち方もだし、ズシリと結構な重さ。叩き鳴らす奏法も初めての人にはかなり難しいということを体験したが、北原さんは根気よく朗らかに教えてくれる。普段からこうやって優しく指導し、薩摩琵琶の普及活動をしている一面が垣間見えた。その手際の良さやあっさりとした感じがとても心地よい、そんなお人柄にちょっとした感動を覚えた。

分厚いファイルは、楽譜などだ。こんなにもたくさんあるのかと驚いたが、さすがにご本人は、どこに何があるのかを把握されているようだ。これって当たり前だろうか。

現在、かなこ堂にて後進の指導や育成にも力を注ぐ北原さんだが、案外お茶目で可愛らしい一面も見せてくれた。大和撫子なスタイルの袴衣装がとってもよくお似合いだが、隣に見える自転車は北原さんの愛車だ。普段はどんな服装でこの自転車に乗っているのか、そこだけが今でも気になって仕方がない。そんな心残りのするインタビューは楽しく終わった。最後にお伝えしたいのは、薩摩琵琶の楽器も、音色も、北原さんもとにかく素晴らしい。これから何かにトライしようと思っている読者には、佐賀で唯一の日本でも稀な薩摩琵琶を、ここ「かなこ堂」にてチャレンジすることを強くおススメする。
 

KENTO編集長の所感

北原さんと出会った場所は佐賀市内にある割烹 楊柳亭さん。そこで北原さんの琵琶を初めて聴きました。
恥ずかしながら、一度も琵琶の演奏を聴いたことがなかったのですが、北原さんの演奏に引き込まれて、すぐにインタビューをさせて欲しいとお願いをしました。今回インタビューをさせていただき、琵琶の魅力と北原さん個人にとても興味を持ちました。
どうしても私みたいに和楽器に馴染みのない者として、あまり構えられてもとっつきにくい部分があるのですが、北原さんは違いました。
今では立派な琵琶奏者として全国を飛び回っておられますが、昔は髪型なども奇抜でストリートな感覚で演奏もされてたそうです。
私個人としては今後もそのスタンスを時には出して、若い人々のこの琵琶の音色を奏でて欲しいと思います。
ぜひ皆さんも一度北原さんの演奏を聴きに行って欲しいと思います!インタビューありがとうございました。

店名

お稽古場 薩摩琵琶かなこ堂

住所

佐賀市大和町尼寺2220-1

TEL

0952-62-8396

店休日

※演奏活動のため不定

駐車場

3台

アクセス

佐賀大和ICより車で約5

JR佐賀駅より車で15分