沖縄のお百姓さんの言葉で、機械がないときは、近所の人が集まり1件の家の畑仕事を手伝っていた。この家の次は他の家、その次はまた別の家と手伝い回っていた。こういう農村の協力社会のことをゆいまーるというそうだ。この辺では「結い(ゆい)」というらしい。「結いまわる」という意味からの言葉なのかもしれない。(オーナー談)
オーナー 井口 聖人さん (50)
なんと18歳からスパイス調合の研究を続け、家族や友人にスパイスを使ったカレーなどのインド料理やタイ料理などをふるまっていた。
感性がマッチする現象
それがウリ。
20代よりミュージシャンとして全国を回っていたというオーナーの井口さん。関東生まれ。大阪を拠点として活動していたが、奥様との出会いにより拠点を福岡に移して音楽活動を行っていた。
転機は35歳。なんと!沖縄への移住を決意したのだ。当然、周囲は猛反対。困惑する奥様を連れ、駆け落ち同然で沖縄へと飛び立った。なんという情熱。ここまで井口さんを掻き立てたもの、それは農業だった。
サトウキビ畑収穫のお手伝いから始まった農業生活は、ついに石垣島で畑をもつまでになった。今でこそ人気だが、当時はまだ石垣島で青果パインを栽培する農家は少なかった。そこに目をつけた井口さんは本格的な青果パインの栽培を始め、石垣島の青果パインブームの先駆けとなる。パイナップルの栽培がひと段落したころ、井口さんは沖縄を去る決断をする。九州に帰ろう!佐賀で暮らすお義母様の体調を気遣ってのことだった。「九州で何をするの?」その時井口さんの頭にはすでに明確なビジョンが浮かんでいた。「スパイス料理屋さんを開く」いつか大好きなスパイス料理を仕事にしたい…ずっと温めていたその願望は、ついにこの武雄で実現したのであった!
いよいよ店内のご案内
古民家をご自分たちで改装し作り上げた。
二階席の壁画は、店主の情熱でご自身が描かれた。
絵の具は…スパイス⁉
お昼のランチセット
ニライカナイセット 2000円
・ありたどりの香草グリルと水車米
・サラダ
・ミニカレー (6種から選べる )
・スイーツ
・レモングラスティー
・自家製パン
・キノコのホイル焼き
ゆいま~るのスープカレーセット
950円
当店一番の人気メニュー。
初めて食べた人はびっくりする。なんだこりゃ?!という人もいた。辛いけど、不思議と箸が止まらない酸味とコクがあるスパイシーなスープ。「女泣かせのスープカレー」というキャッチコピーをつけられたりもした。
スパイス画と
オーナーワールド全開!!
1階に厨房とカウンター、テーブル席。おすすめは2階席。靴を脱ぎ階段を登ると、古き良き畳の間が広がる。神棚を模した一間には大楠の切り株。その壁一面に描かれた不思議な6枚の絵。それらはスパイスを使って、井口さんの手によって描かれたスパイス画。お仲間と縫ったという白壁に、色とりどりのスパイスで描かれた絵のモチーフは…オーナーの口から聞いていただきたい。ちなみに神棚は、内助の功でオーナーを支える奥様をモチーフにしているそう。
ゆいま〜るという
美徳にハマる。
2階でのお食事を終え、階段を下ると大きく力強いメッセージ。「古いものがあたらしい」まさにこの場所とオーナーの感性を象徴するかのよう。築110年の古い家屋を買い取り、仲間たちと手作りでリノベーションした建物。この武雄市若木町にお店を構えたのも仲間たちとの縁あってのことだった。「ゆいま〜る」つまり「ゆいまわる」とは「お互い様」という意味に近い。かつての日本の農村では近隣住民同士が力を合わせてそれぞれの田んぼを収穫していくのが当たり前であった。その「ゆいま〜る」精神はお店にも生きている。そんな美学を大事に抱えつつ、自らの感性を、空間と料理で提供する。その感性と来てくれるお客様の感性がマッチする瞬間が一番のウリなのだという。「お客様にはもっとわがままにきてほしい」と語るオーナー。料理を楽しむのも、空間やオーナーの世界観を楽しむのも、ただ寛ぐのも良し、どう過ごすかはあなただけの自由。「ごちそうさまでした」そう言って扉を開ける。眼下には広大な田園風景が広がっていた。あなたが心地よくわがままでいられる空間がここにはある。
メニューも色々ありますよ。
スパイシーな味わいにMAYUKO、感激!
女泣かせのスープカレーで、NATSUKI、泣きそう?
店主の直筆のモットーが描かれたタペストリー。
店名 | すぱいすキッチンゆいま~る |
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住所 | 武雄市若木町川古5979 |
TEL | 0954-33-8008 |
営業時間 | 11:30~21:00 |
定休日 | 火曜・金曜日 |
駐車場 | 8台 |
席数 | 1階8席・2階12席 |
HP | |
アクセス | 【電車】JR筑肥線「桃川駅」(南口)から車で約10分 【車】武雄北方ICから車で約20分 |