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MICHIKO’S BLOG

2020年2月20日

≪第11話≫ 夫婦で二人三脚・奇想天外PR大作戦!その③
〝ミス鹿島人形〟で集客に挑戦


今回も、主人のPR作戦のお話のつづきです。
鹿島には桜の名所・旭ヶ岡公園がありますので、お花見の季節になると、遠くからも大勢の観光客の方々がお越しになっていました。ありがたいことに、モード洋品店も3店舗に増えて忙しくしておりましたが、主人が、よそからいらっしゃる花見客のみなさんも「うちの店に呼び込もう!」と言い出したんです。
鹿島駅を降りた方たちは、駅からの目抜き通りを歩いてこられます。旭ヶ岡公園に向かわれる途中、モード本店とNO2の近くを通られますので、目を引くもので、人の流れをうちの店に引き寄せようと。その作戦として、主人は「ミス鹿島」を作ることに決めました。ミス鹿島とは大きなお人形のことです。そのお人形が鹿島駅でお出迎えをして、お客様たちと一緒に歩きながらモードまで誘導してくる……とこういう計画です。

七夕売り出しの時は星形のくすだま。
左には贈答用の箱も見えるが、毎回、PRの飾りつけは夫婦徹夜でがんばった。

ゆるキャラのはしりだった?


主人が思いつくアイディアを形にする際、「こうしなさい、ああしなさい」と言われて奔走するのは制作担当の私の役目。ミス鹿島のときも、主人がこしらえた私の背丈より大きな人形に合う洋服を縫って、着せました。
この話をしたら、孫の賢人が「ミス鹿島のなかに人間は入っとった?」と聞くんです。最近は人が中に入った人形がいろいろあって、ゆるキャラと呼ぶらしいですね? もしミス鹿島に人が入っていたとしたら、いま流行りのゆるキャラのはしりだから、じいちゃんのアイディアはすごいと言うんです。
そう言われて考えてみても、なかに人間が入っていたかどうか思い出せないんですよ(笑)。ミス鹿島が主人の計画通り、歩いていたかどうかも……。
当時の私の生活は、3つのお店を毎日、切り盛りしながら、秀行と麻貴、2人の子供の世話をしていました。お仕立てやお直しの注文も増えて、清川の中に「7号」と呼ぶ、縫い子さんたちが仕事する部屋も作りました。私のように、洋裁学校で技術を学んだ女性たちを雇って、オーダーメイドの御用ができてきたんですね。あまりにも忙しかったせいでしょうねえ。いくら食べても太れなくて、37キロまで体重が減りました。そこから長いこと、その体重のままでした。

実家の料亭「清川」も展示会やファッションショーの会場に。
マネキンが昭和の味でなつかしい。

そんな毎日でしたので、ミス鹿島のなかに人が入っていたかどうか、細かいことは記憶にないんです。PR作戦の結果は覚えていまして、ミス鹿島を作ってお花見にいらっしゃるお客様たちをお店に呼び込むという作戦は、うまくいきませんでした。もう、ぜんぜんでした(笑)。
その証拠にミス鹿島はその年だけで終わって、次の年のお花見には登場しませんでした。古い写真を探してもどこにも見当たらずで、〝幻のミス鹿島〟で終わりました。

インタビュー・文 樋渡優子
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